モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2021.6.9中倉山

ガイドブックでは紹介されていないこの山をご存知の方はいらっしゃるだろうか。

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栃木県足尾銅山近くに連なる山々の一つ。

公害で植物が育たなくなった山の稜線に、一本だけ凛々しくそびえる通称“孤高のブナ”が、この山の名前を一躍有名にしたようだ。

このブナを見たい、と誘われて、緊急事態宣言中ではあったが休みの取れた平日にアタックしてきた。東北道から日光方面に向かい、有料道路の終点から足尾の町に向けて車を走らせる。目的地は足尾銅親水公園。40台ほど停められそうな無料の駐車場がある。

立派な橋を越えた向こう側が親水公園で、トイレと自販機もあり、支度を整え午前8時スタート。

最初は1時間ほど林道を歩く。

 

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駐車場を出ると見えるゲートをくぐり、


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仁田元川を越える橋を渡る。

途中工事関係車両が3台追い抜いていった。

この先に現場があるのかな。
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橋を越え左に曲がり、林道を歩くと、珍しい花が群生していた。

友達に聞くと“キツネの手袋”(ジギタリス)と教えてくれた。
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それにしてもいい天気!

なんとなく三条の湯に行くときに歩く後山林道に似ている、と思いながら

8時50分、登山口到着。

情報では案内板などなくわかりづらい、とあったが、

手作りの立派な案内板が作られていてわかりやすかった。

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積み立てられたケルンの上には【山の神様】もいて、思わず手を合わせ登山の無事を祈ってしまう。

 

さあ、ここから標高差約500メートルの急登の始まりだ。無名の山といって甘く見てはならない。心して歩き出す。
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しかし、ステイホームで怠けた体にはかなりハードな斜面だった。

私は何度も足が止まってしまう。

しかし緑の光の中を歩くのは気持ちいい。

道標は無いが良く踏まれた道で迷うことはなかった。
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ひぃひぃ言いながら約2時間もかけてやっと尾根筋にあがると、こんな展望が!
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方向的には日光男体山の方を見渡せる岩場が広がっていた。

写真撮影大会が始まる(笑)


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目指す稜線が見え、体力がわずかに回復(笑)


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この花はなんといったかな。


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稜線ー!
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上がるとすぐに山頂だった。

11時26分。3時間半もかかってしまった。
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ブナはどれだろう?

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って言うか、意外と樹が生えてる。

稜線を緩やかに下ると

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あれかな?

 

周りにロープが張られた一本の樹。

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孤高のブナ!

孤高に見えるようなアングルで写真撮影大会。

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地元の人々のご努力により、植林が進み、樹林帯はすぐ下まで復活していたので、孤高、というほど寂しげではなかったが、今日のような青空をバックにすると本当に凛々しく気高く見えた。

 

この先の沢入山まで行くのは諦め、ここでランチとする。

日陰を求め木のそばに行くと足元には大量の鹿の落とし物💦

1匹も会わなかったけどたくさん生息していそうだった。

なんとか臭いの薄いところを選んでお腹を満たす。

休憩もそこそこに、下山。

帰りはさっきの展望台(ロウソク岩)を巻くコースを選んだ。

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でもこちらにも展望台があった(笑)
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もっと人気が出てもよさそうな山だね、といいなから絶景を収める。

そして歩きやすい道を進むと急登の合流地点に着く。
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いつもながら“こんなとこ登ったっけ?”といいながら

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午後1時30分、登山口到着。

なかなかしびれる山だった。

これから夏山シーズンが始まるというのに、この体をなんとかせにゃいかん、と反省しながら、清滝インター近くの温泉で汗を流して帰路に着いたのであった。

 

 

 

2021.4.21棒ノ折山

3月にようやく明けたと思っていた感染防止緊急事態が、三たび行われるという。

そうなる前にどこか行こう、と思って選んだのはこちら。

 

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先日登った光城山が、あまりにも美しく素晴らしい山登りであり、長年の夢が理想的な形で叶って少し燃え尽き症候群となっていた私。

でも、もう一つ気になっている桜の山があったのを思い出した。

 

またまた雲一つない山歩き日和の水曜日。

 

飯能駅のバス乗り場は多くの人で賑わう。

相変わらず人気の山だ。

河又バス停から30分ほど歩いて登山口へ。

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9時、新緑のパワーをいただきながら沢沿いの道をスタート。
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山道に入って30分ほどで、ワクワクする岩場のアスレチックが始まる。



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水量によっては登ることが難しくなることもある沢。

滑落の事故も起きているので慎重に。

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ワクワクアスレチックは終わり、あとは新緑を浴びながら急登との闘いとなる。


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途中の林道にあるベンチ。

前回来た時は大雨の土砂崩れでガードレールもだいぶ埋もれていたが、元に戻っていた。

道標の奥の水場も復活。汲みに行くのはタイヘンだったけど。
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土砂崩れの迂回路。
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急登をぐるっと巻くと岩茸石。
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急登はここからが本番。
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せっかく作られた階段も、地面の脆さに耐えられない。だからといって、脇を通っても、滑る土質なので歩きにくい。
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10時40分山頂直下の権次入峠到着。
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10時55分、山頂到着。
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山頂標の隣に立つのはこんな立派な桜の木だった。
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見頃は少し過ぎていたけれど、青い空とのマッチングが素晴らしい。

珍しく空いている東屋でそよ風に吹かれて散る花びらを見ながらカップラーメンをいただく。

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さて。

いつもならここから滝ノ平尾根を下ってさわらびの湯で汗を流すところだが、

残念ながら今日は定休日。

ここぞとばかり、今回は奥多摩の方面へ下ってみることにした。
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ここも地図で見た通りの急斜面を激下り。
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ルートが取りづらい樹林帯だが、百軒茶屋への看板がちょうどよいタイミングで設置されている。


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急登を30分ほど下ると、古びたわさび田が現れた。

ここも大雨の影響で流されてしまったのかな…。



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と思ったら、
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下流の方では清流の流れにちゃんと栽培されていた。
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下山を始めて1時間15分ほどで車道に出、案内版にあった百軒茶屋というキャンプ 場に到着。
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もっとひなびたキャンプ 場かと思いきや、昨今のブームが後押ししたか、貴重な都内のキャンプ 場ということでとてもキレイに管理されていた。

 

車道を15分ほど歩くと、本日のゴール清東橋バス停に到着。

 

バスの出発まで20分ほどだったので、着替えをしてジュースを飲んだりしてまったり過ごした。
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1時間に1本程度のバスにタイミングよく乗れて、

青梅線川井駅から帰路に着いたのであった。

 

 

 

 

2021.4.11光城山

まるで天に昇る龍の道のようだ、と形容されるこの山を知ってからいくつ春を越えただろうか。

 

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もともとは山頂に山城があったそうだが、桜並木は大正天皇の御生誕をお祝いして植樹されたそうだ。

ふもとから山頂まで、このように開花するのはタイミングとしてもわずか1週間ほど。

しかもその日に休日が重なるなんて、ホントに貴重だ。

さらに、お日様と相性の良くない(笑)我々に、こんな晴天が当たるなんて!

もう今年の晴天運は使い果たしてしまったかもしれない(笑)

 

いつものメンバーで前夜中央高速をひた走り、光城山駐車場に着いたのは早朝5時になろうとする頃。うっすらと明るくなって来た空に浮かびあがってきた北アルプスを見つけ気持ちが昂ぶるが、それを抑えて仮眠をとることに。

しかし半分ほど埋まった駐車場では、歩き始める人々のドアの音が続いた。

 

「ご来光目当てかな。」

そんな風に思っていた私は、何気なく樹木の隙間から覗く常念岳を二度見。

 

「モルゲンロートだよ!」

 

昨夜からまともに寝ていない私達であったが、ピンクに染まる常念岳の大きな姿に眠気が吹っ飛び、このままスタートすることに。

 

 

朝5時15分、駐車場を出発。

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振り返ると美しく染まった北アルプスf:id:jzm02454:20210602205844j:image

 

山道も歩きやすく、地元の方々とおぼしき人たちが爽やかに私達を追い抜いて行った。
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今日も安定のプラス写真タイム(笑)

同じようなショットがメモリを埋めていく(笑)

写真を撮りながらだったからか、特に息が上がることもなく、気がつけば6時すぎ、山頂広場に到着していた。


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まだ薄暗い広場は桜の写真も逆光気味。

私達はその先の長峰山に向かって進むことにした。

足元にはまだ霜がおりている。
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長峰山までの道は車も通れるところもあり、のんびりと尾根歩きを楽しんだ。
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舗装路ではなく左側の山道へ。
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途中にあるレジャー施設は今日は臨時休業。

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光城山から歩くこと約1時間。道標に導かれて長峰山に到着。
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青い空に、残雪の白い稜線が美しい。
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謎のオブジェ。

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展望台から360度見渡す。

鹿島槍ヶ岳くらいまでならわかるんだけど、もっと先の方まで見渡せた。
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軽く食事を済ませて光城山まで戻る。

帰りは巻いて行こう、と違うコースを選んだが、南向きのこちらも清々しい空気に満ちていた。
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光城山に入ると設置されていたのは“常念ベンチ”。

たしかに目の前にドーンと。

 

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これだけ陽が登ってもまだ気温は0度。でもそんなに寒さを感じない。
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透明のボードに描かれた山位同定の看板。

ナイスアイディア(^^)
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桜並木は沢山の登山者で賑わっていた。


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青い空に映える桜の花を何枚も写真に納め、9時08分、違うコースで下山開始。

計画伐採かな。

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急斜面に作られたつづらの道を下りていく。
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さくら池、という道標に従って歩く。
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9時40分駐車場到着。

最後までキラキラの日差しに守られた楽しい山歩きだった。

 

さて。予定よりかなり早く下山した私達。

計画していたお風呂屋さんのオープンは11時。

急遽行先を選び直し、そこから約30分ほど車を走らせたところにある[枇杷の湯】というところで汗を流すことにした。

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歴史ある浅間温泉郷にあり、歴代の松本城主が訪れたというこの建物は、中に入るだけでも楽しかった。

周りにも古びた温泉宿が散見され、少し歩くと飲用も出来る水場(お湯場)があった。

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温泉町を堪能したあと、バイパスまで出てお蕎麦屋さんへ。

なぜここにしたかというと、

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客席から今日歩いた山々が見渡せたから!
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ご当地山賊焼の付いたお蕎麦セットをいただき、渋滞の始まる前に無事に帰宅したのであった。

 

2021.4.3宝篋山

茨城の友人の家に咲く枝垂れ桜が良いあんばいだというので、花見の前にひと山登ることに。

 

 

 

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始発で集合しても、現地に着く8時ころには駐車場は満車。

近くの市営駐車場に止めてスタート。

 

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極楽寺コース、スタート付近に新しい休憩エリア。

植えられた苗木がいつか花見ポイントになるのかな。


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鳥のさえずりをバックに樹林帯を歩く。
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ゆるやかだけど容赦ない長長坂。

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浅間山を通過して深いアップダウンを通過。


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山桜の群生はもう見頃を過ぎて。
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10時過ぎ山頂到着。
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軽く補給。
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霞ヶ浦もキレイに見渡せる。
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気持ちよく汗をかき、友人のお宅でのお花見に期待も膨らむ。
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お地蔵さまをお参りし、少し手前の路地からショートカットして駐車場へ。

そのままお花見2次会へなだれ込みましたとさ。

 

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六甲山縦走(最終回)オテルド摩耶から宝塚

1970年に国民宿舎としてオープンし、2001年に泊まれるレストラン、オーベルジュとしてリニューアルし人気を博していたホテル【オテル・ド・摩耶】。

 

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六甲山縦走路のほぼ中央、摩耶山の尾根という恵まれた立地にあるこのホテルが、3月いっぱいで閉館してしまうという。

 

 

関東に住む私にとって特に思い入れがあるというわけではなかったが、

いつか六甲山を縦走する機会があったらここで泊まろう、と思っていたホテルだった。

 

2度目の緊急事態宣言が延長となり、その鬱憤を晴らすには、どこか泊まりがけで山に行くしかないなー、といろいろ検索していたとき、ホテルの閉館のことを知り、

ギリギリ間に合った。

 

本当は有名なイタリアンも食べてみたかったが、節約とチェックイン時間のずれ込みを考慮して素泊まりとし、結果それでよかったと

つくづく思う。

 

 

ボロボロの体を清潔な寝具にうずめ、意外なほど爽やかに目覚めた翌朝。

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チェックアウトは6時。

予報通り雨が降っていた。

ズボンは履かず、タイツの上にカッパを着て雨の山歩きに備える。

 

今日の行程は、最高峰の六甲山までは少しずつアップダウンがあるが、それを越えればゴールの宝塚までほぼ下りだ。

ストックは最初から使わないことにした。

 

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早朝だというのに、係員さんが見送ってくれた。

素敵なホテルだった。ありがとうございました。

 

本当ならこの敷地から摩耶別山を通る登山道が始まっていたようなのだが、調査不足で私は車道をてくてく歩き始めた。

スマホアプリや地図を駆使するも、なんか違う感じ…と思って、同じところを20分ほど行ったり来たりしてしまったが、

予想より早く穂高湖に到着し、改めて現在地を把握することができた。

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杣谷(そまたに)峠を過ぎて自然の家に辿り着く。午前7時06分、ここから山道に入る。

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しばらく車道と山道が交錯するようになっている。

山道も階段などが整備されて歩きやすいが、やはり少し斜面になると太ももとお尻の筋肉が重ーくなってくる。ストック使いたいな…。

 

三国池手前の車道に出るところの東屋で雨がしのげたので、荷物を下ろして菓子パンを食べる。小さいのが5つ入ったクリームパンだ。小分けに食べられるので行動食に向いている。

さらにおせんべいを食べて朝ごはんを終える。

じっとしていると体が冷えてくる。

今日は冷えに気をつけなければ。

 

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三国池を過ぎ、道路に出ると、縦走者に有名な藤原商店を発見。
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ここで何か購入してもよかったんだけど…。

写真を撮るだけで通過。

 

さらに記念碑台へと車道を歩くと

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クラシックな佇まいの六甲山ホテルがあった。

優雅だな、泊まってみたいな、と思って眺めて歩いたが、後で調べてみるともう1年半以上前に閉館していたらしい。残念。

 

8時11分、記念碑台には立ち寄らず通過。

そのまま何も考えず車道を歩いていく。

平坦な舗装路をただ歩くだけでも小指が痛む。

それにしても縦走路の道標、わからなかったなぁ。

 

右手に植物園が見えて来た。なかなか広くてキレイな公園だ。

しばらく進むと行き先が二手に分かれている。

どうやら私は道を間違えたようだ。本来なら記念碑台の先から六甲山牧場の方へ進むはずだった。

地図を確認し、車道の青い方向板とは違う方向へ、縦走路に戻るべく進む。

 

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なんとか縦走路に復帰でき、神戸の街を静かに見下ろすみよし観音様に心を寄せて手を合わせる。

 

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小雨が降っていたが、景色は見渡せた。

次の目標はロープウェイもある六甲ガーデンテラス

車道と並走しながら

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駐車場の裏手に到着。

午前9時、まだ開店前の静かな観光地六甲ガーデンテラスに到着。

外にあるお手洗いを拝借し、先へ進む。


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整ったロータリーやキレイな建物もあったのになぜか写真が残っていない。

痛恨のミス。

 

次の目標は六甲山最高峰。

 

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鉄塔が立っているのが最高峰かな?
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山を切り拓いた車道を時折横断しながら山道を進む。

 

階段が整備され、歩きやすいが細かなアップダウンがあって小指がつらい。

4回くらい道路を渡り、午前10時20分六甲山最高峰に到着。

 

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こんな天気なので眺望は諦めていた。

日曜日だったが他に誰もいなかったのは当然か。

 

近くの東屋で荷物を下ろして休憩。

そこで鎮痛剤を持っていることを思い出す。

小指の痛みにも効くだろうか?

救急セットから半ば粉々になったバファリンを出して服用する。

少しでも楽になってくれればいいのだが。

 

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一軒茶屋を確認し、キレイなトイレを通り過ぎ、ここから宝塚へ向けて10キロ以上のトレイルだ。

樹林帯に入ると、頭の上の方で風の音がゴォぉぉぉと聞こえた。

 

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時折土のえぐれた急な斜面が現れたが、慎重にゆっくり足を運ぶ。

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道標の示す地名がゴールの“宝塚”のみとなったとき、時間的な余裕も生まれて気持ちが楽になった。

心なしか左足の小指の痛みは引いたようだ。

薬が効いたのかな?

鎮痛剤の効能は頭痛だけではないことにもっと早く気がつけばよかった。f:id:jzm02454:20210419153725j:image
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樹林帯の代わり映えしない風景の中黙々と歩く。

 

午後2時12分、塩尾寺(えんぺいじ)到着。

宝塚の街はすぐ下だ。

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ここから舗装路となるが結構な斜面で、もし雪が積もって凍結していたら私は絶対歩けない。

ヤマレコでも“駅までの舗装斜面が一番キツかった”と書いていた人がいたっけ。


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宝塚駅、という案内板を見るにつけ、長かった道のりをついに踏破することに想いがひとしおだった。

でも小指の痛みからなかなか普通に歩くことが出来ず、駅までの1.3キロの道のりがなかなか遠かった。

 

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午後3時、宝塚駅到着!

歌劇を観る華やかなお客様で賑わう駅前に、傘も差さずカッパ姿で歩く不釣り合いさ(笑)

 

とりあえず有名な花の道の写真を撮って

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宝塚大橋を[ナチュールスパ宝塚]まで引き返す。

 

ここでゆっっっっくりと汗を流して体をほぐし、

大阪駅まで戻って夜8時15発の夜行バスで東京まで戻ったのであった。

 

歯を食いしばって、痛みに耐えながら歩ききったこの2日間。

自分の山行歴の中で大きな財産となったことは間違いない。

 

余裕がなくて、観光もせず、一軒茶屋で山バッヂも買い忘れ、やり残したことだらけの六甲山縦走だったが、

機会があればまた別のコースで歩いてみたい、と思っている。

今度は誰かと歩きたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六甲山縦走③菊水山からオテルド摩耶

鵯越駅から思った以上に時間がかかり、菊水山に取り付いたのは午後3時を回っていた。

標高は459メートルのこの山、コースタイムは40分ほど。

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しかし階段や斜面が続き、10歩進んでは足が止まってしまう。

なんとか午後4時になる前に山頂に到着。

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いやー、心底疲れた。お腹も空いた。

山頂は電波塔が立ち、ベンチもあって広くて景色も良い素敵なところだった。

しかし、この先の行程を考えての不安は増すばかり。

とりあえず地図を見ながら菓子パンを食べる。

10分ほど休憩し、次の鍋蓋山へ。

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小指が痛み、下りが辛いのは変わらなかったがよく考えるとそれ以外の痛みは発生していない。

心配だった膝も全く大丈夫。

 

この状況でせめてもの救いだ。

歯を食いしばって下山し、また登り返す。

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天王吊橋から30分のところ45分かけて午後5時30分山頂到着。

さて、残すピークは摩耶山のみとなった。

しかし。

 

もしエスケープするとしたら…と考えなから市ケ原まで下る。

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市ケ原まで緩やかな道が続くが結構長く、空がだんだん薄暗くなっていく。

途中にある大龍寺という立派なお寺も誰もいない。

車道が通り、路線バスも通るらしかったが、なにせこの時間。

もしバスがまだあったら、そこでエスケープしていただろうな。

諦めて山門前の広場でコカコーラを買って飲んだ。

 

いろいろな考えが逡巡したが、エスケープするにしてもかなりの距離を歩かなければならず、逆に目的地の摩耶山は夜景が素晴らしいと言うことでナイトハイクをする人もいる歩きやすい登山道なのでは?という思いがあって、

やはり当初の計画通を決行することに決め、

宿泊先のホテルに、チェックインが遅れるという連絡を入れて先へ。

 

途中数人とすれ違い、「どちらまで?」と聞かれたが、「市ケ原までです」と嘘を答えていたのは秘密の話。

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午後6時30分市ケ原到着。

昼間はバーベキューが出来る河原で、売店やトイレも整っている。

片隅でテントを張っているグループもいたが、ここはテン泊禁止場所とのこと。残念。

最後のひと登りを前にお手洗いを済ませ、自販機で水を購入。

ヤマレコで見た人は約1時間でホテルに到着していたので、私もそれくらいかな、と思ってヘッデンを装着して鈴を鳴らしながら夜の山へ入った。

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予想通り、登山道は整備されて歩きやすかった。夜の山を歩くのは何度が経験していたので、その山々に比べると全く恐怖感が無かった。初めて登るのに、初めてではないような感覚。

疲れすぎて余計なことを考える余裕もなかったし。

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稜線まで上がったときに樹林の隙間から見えた神戸の夜景の美しかったこと!

あと少し、あと少し!と鼓舞しながら重い体を運ぶ。

 

道標の距離数が全然減らず、1時間はおろか2時間ほどたってもまだ暗闇の中。

もう疲労もMAXをとうに越え、いろんなことが麻痺した境地に至ったころ、時折車が通る音が聞こえ、登山道も階段などが整備されるようになり、やがて舗装路に。

やっと摩耶山の展望台“掬星台”の裏手にたどり着いた。時刻はなんと夜8時40分を回っていた。

なんとか夜間登山をクリアして緊張が解ける。

 

掬星台に行く前に、山頂を指す道標が天狗岩のところにあるということなので、そこへ行ってみる。

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しかし、あまりの暗さに山頂標を見つけることは出来なかった。

ホテルはここから数分。

チェックインする前に夜景を堪能することに。

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苦労してたどり着いた甲斐のある絶景。

本当なら写真を撮りまくりたいところだったが、観光客で賑わっていたし、チェックインもまだだったので、

しっかりまぶたに焼き付けてホテルへと向かった。

 

ここでまた私はホテルを通り過ぎる、というミスをおかす。

こんなに疲れているのに、さらに800メートルほど車道を無駄に歩くという(笑)

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大幅に遅れた私をホテルの人は暖かく迎えてくれた。心配して電話も入れてくれていたようだ。(機内モードにしていたので後から気づいた)

 

なにはともあれ、激痛の登山靴から解放され、部屋着に着替えて大浴場へと向かう。

小指の痛みに隠れて感じなかったが、かかとも皮がむけていたので、お湯がしみた。

生々しかったが、約28キロの激しい闘いを耐えてくれた足の姿だった。

 

冷えた体が温まり、部屋のビールで喉を潤す。発熱剤にセットしたレトルトビーフシチューを白米にかけて食べるが、お腹が空いているはずなのに進まない。

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すごくお腹が空くと思ってご飯は2パック持って来ていたのに、1つを平らげるのがやっとだった。

それほど疲れていたのだな。

 

明日も続くロングトレイルを前に、

地図を見ながらスーパードライ一番搾りを空けてベットに潜り込んだ。

 

→続く

 

 

 

 

 

 

六甲山縦走②馬の背から菊水山

前半のハイライトのひとつ、馬の背をクリアし、東山という小さなピークもスルーして住宅地へ下山する。

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天気に恵まれ、神戸の景色を堪能しながら、いつもの山行ならここでランチをとって終了、といったところだが、

 

なんと、まだ約8キロほどしか歩いていない。

今日は何キロ歩く予定だっけ?

そう、まだ19キロ残っているのだ。

 

19キロ?😳

 

時刻は11時30分。多少日没を過ぎるとは言え、大丈夫だろうか?

小指の痛みがなんとも治まらず、下りで踏ん張れないことも加わって不安が押し寄せる。

 

そんなことを考えながら、高取山登山口を探して住宅地を歩く。

 


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途中にある妙法寺

ここで水を1本飲みきり、この先のことを考え自販機で追加購入する。

親切な案内版に導かれ、高取山へと取り付く。

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裏山らしく穏やかな山道。

しかし、そろそろ10キロを超えたか、靴の中のコンディションが悪くなっていき、疲労を感じる。

 

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約25分ほど歩くと、荒熊神社に到着。f:id:jzm02454:20210417172949j:image

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余裕があったわけではないが、お参りして御朱印を頂く。

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さらにその隣の高取神社へ。

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山頂はこのお社より上?にあったらしいが、そこまでは行かず、

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お参りをして御朱印をいただき、先にあるらしい広場?で休憩を取ることに。

 

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餃子が名物らしい月見茶屋。

しかし営業しているような感じはしない。

その向かいに古びた遊具のある公園があり、ここかな?と思って、背板の抜けた長ベンチに腰を下ろして2個目のおにぎりを頬ばる。

時刻はすでに午後1時30分を回っていた。

 

思った以上に時間がかかり、本日のゴールに辿りつけないのでは?と本格的に不安になって来た。

地図を広げ確認する。

ヤマレコで参考にした人は健脚だったのかな、と自分の力不足を反省。

公園の小さなトイレで用を済ませて先を急ぐ。するとすぐに広場が(笑)

こちらの方がトイレもキレイそうだった。

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悩んでいるヒマはない。

20分ほど山道を下り街へ出る。

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ここから鵯越(ひよどりごえ)駅まで住宅地を4キロほど歩き、次の目標菊水山を目指す。

道に迷う人もいるそうなので、電柱に付けられた案内版と地図を見比べながら歩く。

小指が当たって普通に歩くのもきつい。

 

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迷路のような住宅地を30分ほど歩き、駅に着いたのは午後2時26分だった。

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しかし菊水山登山口はまだまだ先だった。

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神戸電鉄有馬線。結構本数あるみたい。

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菊水山の登山口、というのがどこなのかわからないまま、緩やかな斜面を50分ほど歩き、

菊水山休憩所?というところにたどり着いた。

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午後3時を回り、まだまだピークをいくつも残して不安は募るばかりだったが、ここに来てのこの山が残り少ない体力を激しく奪うきびしさだった。

 

 

→続く