モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2019.10.10-11涸沢カールテント泊②

 

テント泊の受付は14時からとなっていた。

岩に囲まれた場所を本日の住処とし、荷物を整えてから、

 

私は心待ちにしていたランチをいただきに、涸沢ヒュッテパノラマデッキに向かった。

 

しかし!

「生ビール、手作りおでんは売り切れです」

 

悲しいお知らせが…(ToT)

 

おそらく、この前の週末に多くの登山客が訪れたので、そのためだったのではないかと思う。

現に、今日は荷揚げのヘリコプターが何回もカールまで往復していた。

 

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気を取り直して、缶ビールとラーメンでお腹を満たす。

コッヘルに入れてもらったパックおでんは、今夜のつまみにいたします(^^)

 

雲ひとつない空に、黄金色の山肌が光り輝いている。

確かに最後の90分はキツかったが、それを忘れさせてくれるほどの絶景が360度広がっていた。

汗をかいた体には、少し薄味に思えた醤油ラーメンだったが、スープまでキレイに飲み干し、展望デッキを後にする。

 

500のビールで気持ち良くなった私は、このままテントでゴロンと休憩。

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日差しがあると、まだまだ暑い涸沢カール。

麓から吹き上がる風がテントの中をクールダウンしてくれたが、

それでもしばらくするとテント内はかなりの暑さになった。

 

近くに次々とテントが建てられていく。

知らぬ間に寝落ちしていた私だが、

ブルッと冷え込みを感じて目が覚めた。

 

時刻は14時30分。

私のテントはすっかり日陰に入ってしまっていた。

涸沢カールの日照時間は短いのだ。

 

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テント受付を済ませ、せっかくなので涸沢カールを散策してみることにする。

 

穂高まで続くパノラマルートをのんびりと登ってみる。

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涸沢岳から奥穂高岳への稜線を見上げる。

一際窪んだところが白出沢のコル、穂高岳山荘がある場所だ。

その下の斜面にコブのように張り付いている緑の出っ張りが、ザイテングラート。

本当なら明日、ここに取り付く予定だった。

しかし!

見ればみるほど立ちはだかるこの斜面に、恐れさえ浮かんでくる。

やはり、今年は見送って正解だったのかもしれない。

 

来年へのリベンジを心の中で誓い、

涸沢小屋へ足を伸ばした。すると。

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こちらには売っていたんですねー生ビール(^^)

セットを頼んでテン場を見下ろすデッキでのんびりいただきました(^^)

 

最高*(^o^)/*

 

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午後3時を過ぎ、概ね今夜のテント場はこんな感じ。

平日はこんなモノなのかもしれない。

 

ビールで胃袋が活動し始まったので、そろそろテントに戻り、夕食の支度にとりかかる。

 

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今回はエアウレタンマットを椅子替わりとして、

安定した石をテーブル替わりにして、

宴会場とする。

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ニューアイテムのコッヘルマグはシェラカップよりたくさんのお湯を沸かすことが出来るし、アルコールバーナーがジャストサイズで収納でき、

とても使い勝手が良かった。

お湯を沸かしてアルファ米に注いだあと、おでんを温め、さらに、コッヘルにはやや甘口の赤ワインを注いで温めながら飲む。

そんなに冷え込みはしなかったが、これからの季節、ホットワインはマストかもしれない。

 

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穂高連峰の勇ましい稜線が、夜の帳にくっきり浮かび上がる。

もしかすると、今夜は満天の星空が拝めるかもしれない。

 

ワインを1本空けるころには程よい疲れが体を包み、

ちょうど19時を回ったころ、あたりはまだ賑やかだったが私はシュラフに潜り込んだ。

 

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∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

尿意を催し目が覚めたのは0時30分。

お!星空はどうなっているだろう?と興奮気味にテントから出てみると、一面グレーの曇り空。天気予報の通り、明日(すでに今日)は雨なのかー、とがっかりしながらトイレに向かう。

涸沢カールのテント場利用の人は、涸沢ヒュッテの水場とトイレを使うことになっている。

ざっと数えたところ、男女兼用で和洋合わせて20個室くらいあるような気がする。

ピーク時には1時間待ちとかになるそうなので、人気スポットも良し悪しだ。

 

あと5時間くらい眠れそう、と思いながら再度シュラフにくるまる。

その時、中に敷き入れていたレスキューシートがカサカサとすごい音を鳴らしてしまった。ご近所の皆さま、この場をお借りして申し訳ありませんでした💦

 

朝方、パラパラとテントを叩く雨音で目が覚めた。

時刻は4時。まだあたりは真っ暗だ。

今日は撤収して下山するだけ。

目指すホテルの日帰り入浴に間に合えばいいので、のんびりと二度寝を楽しむ。

 

今朝はモルゲンロートは望めないので、薄明るくなったころに朝ごはんの支度を始める。

メニューは持ち込んだバターロールに、フリーズドライのチーズリゾット。

コッヘルマグで約150CCのお湯を沸かし(目盛り付き)沸いたところにフリーズドライを投入。

かき混ぜれば暖かいリゾットの出来上がり。

手早く食べられるパターロールと一緒に、体を目覚めさせていく。

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食事が終わり、荷物の片付けを始める。

シュラフを袋に詰め込み、テント以外のものをリュックに入れる。

パラパラと雨の音。

 

しばらく待とうかとも思ったが、このまま強くなる可能性もあつたので、

ならば弱いうちに、と意を決してテントの撤収を開始。

 

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許可証とコンパネは無人の管理事務所に返却。

なんとか撤収を終えてお手洗いを済ませ

 

午前7時、下山を開始する。

 

 

すると。

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帰りの紅葉がまたしっとりキレイで!!

なかなか前に進めない(笑)

足元は滑るので、景色を見ながら歩く、という芸当が出来ず、立ち止まってカメラを向ける。

 

まあ、後悔しないように、たくさん撮ろう。

 


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穂高連峰はすっかり雲の中に隠れてしまったが、

下山でもこんなに素晴らしいおもてなしを受け、幸せな気持ちで涸沢カールを後にした。

 

さすがに悪天候の予報だからか、登ってくる人は少ない。(しかしいることはいる)

さほど渋滞することもなく、

 

横尾9時20分

徳沢10時30分

 

と、予定通り下山。

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帰りのお楽しみ、徳澤園のソフトクリーム。

優しい甘さが体の緊張をほぐしてくれた。

 

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明神館からは左岸の道を歩く。

ラジオがなかったら退屈でたまらない。

 

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整った小梨平のキャンプ場を過ぎると河童橋はすく。

長い林道を歩き通してやっとたどり着いたそこは、観光客で賑わう一番の観光スポットだった。

手前のベンチで荷物を整え、私は日帰り入浴をするため、上高地アルペンホテルへと向かう。

ちょうど上高地バスターミナルの反対側のあたりだ。

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フロントで入浴料1000円を払うと、乾燥室に案内され、大きな荷物を置き、靴をスリッパに履き替えるよう指示される。

荷物は整理してきたので、指示されたとおりにし、速やかにお風呂場へ移動。

 

お風呂場はカランが7つ。シャンプーなどは備え付き。

そんなに広くはなかったが、ちょうど入れ替わりのタイミングだったので、ストレスなく2日ぶりのお風呂を味わった。

 

お風呂あがり、自動販売機で買ったビールをロビーて嗜み、クールダウン。

15時発のバスに合わせてゆっくりとターミナルへ向かった。

 

天気予報は当たり、帰りの高速はずっと雨。

カメラに収まった300枚ほどの写真を何度もスクロールしながら、夢のようなこの2日間を振り返ったのであった。