モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2020.6.28焼岳

百名山ハンターの友人は、次に登る山を決めていた。

記念すべき50座目となるその山は北アルプスの入門山と言われ、日帰りでも挑戦しやすいあの山。

 

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最近多発する地震などから、“噴火警戒区域”が広まってしまう前に行きたい、とのことでまた夜茨城に集合し、夜の高速をひた走った。

 

梅雨に入り、雨の続く週末。

しかし、昨日見たてんくらでは、奇跡的にこの日この時間だけAという予報。

それを信じて沢渡駐車場に到着したのは深夜3時50分ころだった。

ところが。

時折ワイパーが効かなくなるほど強くなる雨と、雨雲レーダーの予報から、私たちが信じたてんくらの予報が崩れてきていることを知る。

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中止の判断を下すのはいつも難しい。

「明日温泉入って帰ろうか」

と慰め合いながらとりあえず仮眠をとることにした。

 

予定では日の出と共に中の湯登山口まで車を進めることにしていたが、夜があけても雨は降り続けていた。

 

さらに仮眠を続ける私たち。

 

すっかり熟睡し、気持ちよく目が覚めた7時30分。

空は明るくなっている。

洗面をしたりしながら雨雲レーダーを見ると、どうやら今日の天気は快方に向かっている感じ。

 

検討した結果、本来なら駐車場は満車となっているこの時間で、停められたら登る、停められなかったら引き返す、ということで、沢渡駐車場から車を出した。

 

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ヘアピンカーブが続く中の湯登山口に着くと車は8台ほど。準備をして8時45分歩き始めた。

 

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雨は小降りだったが、雨上がりの森はいろいろ降って来たりするのでカッパを装着。

涼しげで瑞々しい空気の中進んでいく。

森の番人の出迎えを受け神妙になる。

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すぐにランドマークである転覆した車を発見。

 

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スタジオジブリの世界観。

でもこんなところに不思議なものだ。

 

すぐに道は急登になってゆく。

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カッパは暑い💦

歩き始めて30分ほどでもう体から湯気が出るほどだ。

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特徴的な風景をカメラに収めつつ、容赦なく続く斜面に向かい続ける。

 

駐車場から山頂までの標高差は840メートルくらい。だけどずっと斜面だから体の休まるところがない。

体からいろんなものが吹き出してくる。

雨のせいなのか登山道が小川のようになっているところもあつた。

 

変わり映えのしない山道を2時間近く歩いてやっと木々の隙間から覗いたのが…

 

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10時35分“広場”到着。

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北岳山頂がはっきり青空に浮かんでいる!

登る決断をして正解だったようだ。

椅子を出し、軽く補給して第2ステージとなる斜面へ向かう。

ここからは眺望が開けた気持ちよいがれ場のはずだ。

 

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振り返って見えるのは霞沢岳。

焼岳の斜面の先にかろうじて見えたのは穂高連峰

北アルプス雄大さを全身で受け止めながら上を目指す。

 

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イワカガミがたくさん咲いていた。

 

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ルートを示すペンキマークを見失わないように進む。

思ったよりも時間がかかってしまったが、

12時08分、お釜の池到着。

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正午を過ぎるとガスが上がってきた。あっという間に真っ白。

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上高地側からの合流地点から荒々しいがれ場を登り、


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12時20分北岳北峰到着。

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しかし、残念ながら視界はゼロ。

狭い山頂はランチ休憩をする人々で賑わっていたが、私たちは下って上高地との分岐点あたりで休むことにした。

 

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この場所から、本来なら大正池穂高連峰が見渡せるはずなのだが残念。しかし、無事50座目を達成した友人は

「温泉入って帰るだけかと思ったから、そう考えると大満足だよ!」と喜んでくれたようでよかった。

 

下山はピストン。

がれ場なのでスリップや捻挫に気をつけながらテンポ良く下る。

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13時47分に広場まで戻って来たが、ご覧のように山頂はすっかりガスの中。

 

さらに黙々と先へ。

スタートが遅かった分、ここで時間を稼いでなんとかお風呂を楽しみたい。

いつも思うのだが、「こんなとこ登ったっけー?」と言いながら午後3時、駐車場到着。

 

ここにはお手洗いはもちろん、水場もないので、なんとか友人の車を汚さないように残った水で靴の泥を落とす。

後片付けもほどほどに、中の湯温泉まで下る。

 

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山の斜面に建てられた秘湯の宿は、とても綺麗で居心地よく、お湯も柔らかくて気持ちよく汗を流すことができた。

ここで1泊するのも優雅で楽しいに違いない。

 

ノンアルコールビールで健闘を称え合い、帰路に着いたのであった。