梅雨が長引いている。
しかし諦めずにあらゆる方面の週末の天気予報をチェックする毎日。
今回も、なんとかこの山にAが着いたので、いつもの友人を誘って行ってきた。
登山口の菅平は、我が家のスキー旅行で何度か訪れたことのある大好きな場所。
いつも宿泊を伴っていたから、この山に登る時も1泊した方がいいかと思っていたのだけれど、
夜中出発パターンを使えば日帰りも可能であることがわかり、終電で茨城の友達家に向かい、夜の関越道を北へ。
まだ暗い牧場の管理地をまっすぐ進み、約1時間ほど仮眠をとる。
朝5時、登山準備を始める。駐車場には2台のみ。
駐車料金(牧場入園料)は帰りに支払う。
駐車場にはトイレもあり、登山ポストも設置。
思ったほど寒くもなく、高原の清々しい空気を深く吸い込んで、根子岳を目指して朝5時30分スタート。
しばらくは牧場横の階段を登っていく。
この時間からすでに放牧は始まっている。
最初に登る根子岳は花の百名山にも選ばれた山で、牧場横の階段沿いにたくさんの花々が咲いていた。
牧場を見下ろせる東屋まで来た。ここまでは観光客でも来られる感じ。
さて、ここからダケカンバの林に入っていく。
湿り気のある熊笹に体が触れると、ブワッと小さな虫たちが弾ける。慌てて頭部に虫除けをスプレーする。
私は過去に顔面をブヨに刺されて恐ろしい目に合った経験があり、虫には神経質なのだ。
スタートして約1時間ほど歩いて樹林帯を抜ける。
もう牛たちの姿も見えない。
その代わり、山頂らしき稜線が朝日に浮かんでいる。
スタートして約2時間。
7時30分根子岳登頂。
山頂はがれ場だが、広くて気持ち良かった。
動物好きな友人は、この山を猫ちゃん、と言って興味を持ってくれていた。
「子猫ちゃんもあるよ」というと、当然そちらにも行く!となり、
往復45分をかけて小根子岳へ。
高度をぐっと下げるのでちょいと気持ちが萎えるけれど、
こちらも静かで広々とした山頂だった。
やや冷たい風が吹いていたが、ミレー の忍者インナーが大活躍。
四阿山に行かないのであれば、ここでゆっくりコーヒーでも飲みたいところだ。
先を急ぐ私たちはそそくさと根子岳へと戻る。
石に書かれた「ファイト」の文字が心強い。
再び根子岳を踏み、そこから四阿山へ向けてのコルヘと高度を下げていく。
四阿山山頂はガスの中だが、稜線はキレイに見渡すことが出来、興奮する。
振り返ると、えぐられた荒々しい山肌。
その稜線に下りる前にこんな岩場も。
根子岳を振り返る。
正面は四阿山。
そしてこの土の路面には何種類かの動物の足跡が残されていた。
近づくほどにそびえ立つ四阿山。
登山道から景観は望めそうにない。
急斜面に見えるけど、つづらになっていたら歩きやすいね、なんて思ったら、
見事な直登(笑)。
木の根も歩き辛く、山頂まであと1.3キロの距離がなかなか縮まらない。
たまらず途中の斜面で補給休憩をとる。
体力の無さを痛感しなからなんとか10時05分に稜線に到着。
さらにガスの中に続くゆるやかな道を山頂に向けて進む。
やや崩れた階段を登り切ると
祠があり、どうやら山頂到着?
リュック を置いて休憩しようとしたら、後から来た登山者が、「まだ先があるみたいてすよ」と教えてくれて…。
10時30分、山頂到着(笑)
歴史のあるこの山は、古くから信仰を集めており、山頂には信州(長野県)と上州(群馬県)を向いた2つの祠があったのだ。
危く見逃すところだった。
登山者さま、ありがとうございました。
石の組まれた一角で荷を下ろしてランチにする。
塩気の効いた梅おにぎりがなんとも美味い。
気がつくとブンブンと周りを飛び回っている虫の数が増えて来たような。30分ほど休んで、下山する。
山頂を分岐点まで戻り、菅平牧場へ下りる道を進む。
中四阿、小四阿といくつかピークを越えるようだが、下りはやっぱり楽チンだ。
四阿山を振り返る。ガスは晴れたようだ。
中四阿のピーク。遠くから見た時より高低差はなかった。
標高が下がってくると、またダケカンバの林に入る。
クネクネと樹林帯を下る。
牧場の近くまで下りて来たかな、と感じる道。
すると、最後のキモ、渡渉の沢にたどり着いた。
ここ最近の降雨のため、水量が増えてどこを渡ったらいいのかわからなくなっている。
慎重にルートを選び、勇気を出してなんとか渡ることができた。ドキドキした。
酪農の匂いがして牧場が見えた。ゴールはすぐそこ。
牧場内の道を駐車場に向けて歩く。
この先にあるのはお手洗いだ。
長閑な牧場の風景。
13時22分、下山。
コロナ対策で簡素化された売店だったが、山バッヂとソフトクリームは売られていた。
意外と長かった下山路でくたびれ尽くした体に冷たさと甘さが染み渡る。
トイレのところに靴洗い場がある、という情報だったが、見つけられず、そのまま汗を流しに温泉へ。
ずっと気になっていたこの山に来られたことは大満足だったが、やはり登る前に少し知識を得てからの方がいいな、と反省したのであった。