モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

六甲山縦走③菊水山からオテルド摩耶

鵯越駅から思った以上に時間がかかり、菊水山に取り付いたのは午後3時を回っていた。

標高は459メートルのこの山、コースタイムは40分ほど。

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しかし階段や斜面が続き、10歩進んでは足が止まってしまう。

なんとか午後4時になる前に山頂に到着。

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いやー、心底疲れた。お腹も空いた。

山頂は電波塔が立ち、ベンチもあって広くて景色も良い素敵なところだった。

しかし、この先の行程を考えての不安は増すばかり。

とりあえず地図を見ながら菓子パンを食べる。

10分ほど休憩し、次の鍋蓋山へ。

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小指が痛み、下りが辛いのは変わらなかったがよく考えるとそれ以外の痛みは発生していない。

心配だった膝も全く大丈夫。

 

この状況でせめてもの救いだ。

歯を食いしばって下山し、また登り返す。

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天王吊橋から30分のところ45分かけて午後5時30分山頂到着。

さて、残すピークは摩耶山のみとなった。

しかし。

 

もしエスケープするとしたら…と考えなから市ケ原まで下る。

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市ケ原まで緩やかな道が続くが結構長く、空がだんだん薄暗くなっていく。

途中にある大龍寺という立派なお寺も誰もいない。

車道が通り、路線バスも通るらしかったが、なにせこの時間。

もしバスがまだあったら、そこでエスケープしていただろうな。

諦めて山門前の広場でコカコーラを買って飲んだ。

 

いろいろな考えが逡巡したが、エスケープするにしてもかなりの距離を歩かなければならず、逆に目的地の摩耶山は夜景が素晴らしいと言うことでナイトハイクをする人もいる歩きやすい登山道なのでは?という思いがあって、

やはり当初の計画通を決行することに決め、

宿泊先のホテルに、チェックインが遅れるという連絡を入れて先へ。

 

途中数人とすれ違い、「どちらまで?」と聞かれたが、「市ケ原までです」と嘘を答えていたのは秘密の話。

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午後6時30分市ケ原到着。

昼間はバーベキューが出来る河原で、売店やトイレも整っている。

片隅でテントを張っているグループもいたが、ここはテン泊禁止場所とのこと。残念。

最後のひと登りを前にお手洗いを済ませ、自販機で水を購入。

ヤマレコで見た人は約1時間でホテルに到着していたので、私もそれくらいかな、と思ってヘッデンを装着して鈴を鳴らしながら夜の山へ入った。

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予想通り、登山道は整備されて歩きやすかった。夜の山を歩くのは何度が経験していたので、その山々に比べると全く恐怖感が無かった。初めて登るのに、初めてではないような感覚。

疲れすぎて余計なことを考える余裕もなかったし。

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稜線まで上がったときに樹林の隙間から見えた神戸の夜景の美しかったこと!

あと少し、あと少し!と鼓舞しながら重い体を運ぶ。

 

道標の距離数が全然減らず、1時間はおろか2時間ほどたってもまだ暗闇の中。

もう疲労もMAXをとうに越え、いろんなことが麻痺した境地に至ったころ、時折車が通る音が聞こえ、登山道も階段などが整備されるようになり、やがて舗装路に。

やっと摩耶山の展望台“掬星台”の裏手にたどり着いた。時刻はなんと夜8時40分を回っていた。

なんとか夜間登山をクリアして緊張が解ける。

 

掬星台に行く前に、山頂を指す道標が天狗岩のところにあるということなので、そこへ行ってみる。

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しかし、あまりの暗さに山頂標を見つけることは出来なかった。

ホテルはここから数分。

チェックインする前に夜景を堪能することに。

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苦労してたどり着いた甲斐のある絶景。

本当なら写真を撮りまくりたいところだったが、観光客で賑わっていたし、チェックインもまだだったので、

しっかりまぶたに焼き付けてホテルへと向かった。

 

ここでまた私はホテルを通り過ぎる、というミスをおかす。

こんなに疲れているのに、さらに800メートルほど車道を無駄に歩くという(笑)

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大幅に遅れた私をホテルの人は暖かく迎えてくれた。心配して電話も入れてくれていたようだ。(機内モードにしていたので後から気づいた)

 

なにはともあれ、激痛の登山靴から解放され、部屋着に着替えて大浴場へと向かう。

小指の痛みに隠れて感じなかったが、かかとも皮がむけていたので、お湯がしみた。

生々しかったが、約28キロの激しい闘いを耐えてくれた足の姿だった。

 

冷えた体が温まり、部屋のビールで喉を潤す。発熱剤にセットしたレトルトビーフシチューを白米にかけて食べるが、お腹が空いているはずなのに進まない。

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すごくお腹が空くと思ってご飯は2パック持って来ていたのに、1つを平らげるのがやっとだった。

それほど疲れていたのだな。

 

明日も続くロングトレイルを前に、

地図を見ながらスーパードライ一番搾りを空けてベットに潜り込んだ。

 

→続く