ガイドブックでは紹介されていないこの山をご存知の方はいらっしゃるだろうか。
栃木県足尾銅山近くに連なる山々の一つ。
公害で植物が育たなくなった山の稜線に、一本だけ凛々しくそびえる通称“孤高のブナ”が、この山の名前を一躍有名にしたようだ。
このブナを見たい、と誘われて、緊急事態宣言中ではあったが休みの取れた平日にアタックしてきた。東北道から日光方面に向かい、有料道路の終点から足尾の町に向けて車を走らせる。目的地は足尾銅親水公園。40台ほど停められそうな無料の駐車場がある。
立派な橋を越えた向こう側が親水公園で、トイレと自販機もあり、支度を整え午前8時スタート。
最初は1時間ほど林道を歩く。
駐車場を出ると見えるゲートをくぐり、
仁田元川を越える橋を渡る。
途中工事関係車両が3台追い抜いていった。
この先に現場があるのかな。
橋を越え左に曲がり、林道を歩くと、珍しい花が群生していた。
友達に聞くと“キツネの手袋”(ジギタリス)と教えてくれた。
それにしてもいい天気!
なんとなく三条の湯に行くときに歩く後山林道に似ている、と思いながら
8時50分、登山口到着。
情報では案内板などなくわかりづらい、とあったが、
手作りの立派な案内板が作られていてわかりやすかった。
積み立てられたケルンの上には【山の神様】もいて、思わず手を合わせ登山の無事を祈ってしまう。
さあ、ここから標高差約500メートルの急登の始まりだ。無名の山といって甘く見てはならない。心して歩き出す。
しかし、ステイホームで怠けた体にはかなりハードな斜面だった。
私は何度も足が止まってしまう。
しかし緑の光の中を歩くのは気持ちいい。
道標は無いが良く踏まれた道で迷うことはなかった。
ひぃひぃ言いながら約2時間もかけてやっと尾根筋にあがると、こんな展望が!
方向的には日光男体山の方を見渡せる岩場が広がっていた。
写真撮影大会が始まる(笑)
目指す稜線が見え、体力がわずかに回復(笑)
この花はなんといったかな。
稜線ー!
上がるとすぐに山頂だった。
11時26分。3時間半もかかってしまった。
ブナはどれだろう?
って言うか、意外と樹が生えてる。
稜線を緩やかに下ると
あれかな?
周りにロープが張られた一本の樹。
孤高のブナ!
孤高に見えるようなアングルで写真撮影大会。
地元の人々のご努力により、植林が進み、樹林帯はすぐ下まで復活していたので、孤高、というほど寂しげではなかったが、今日のような青空をバックにすると本当に凛々しく気高く見えた。
この先の沢入山まで行くのは諦め、ここでランチとする。
日陰を求め木のそばに行くと足元には大量の鹿の落とし物💦
1匹も会わなかったけどたくさん生息していそうだった。
なんとか臭いの薄いところを選んでお腹を満たす。
休憩もそこそこに、下山。
帰りはさっきの展望台(ロウソク岩)を巻くコースを選んだ。
でもこちらにも展望台があった(笑)
もっと人気が出てもよさそうな山だね、といいなから絶景を収める。
そして歩きやすい道を進むと急登の合流地点に着く。
いつもながら“こんなとこ登ったっけ?”といいながら
午後1時30分、登山口到着。
なかなかしびれる山だった。
これから夏山シーズンが始まるというのに、この体をなんとかせにゃいかん、と反省しながら、清滝インター近くの温泉で汗を流して帰路に着いたのであった。