モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2021.9.26-28剱岳テント泊②山頂アタック

実はワタクシ、車の中にスマホの充電ケーブルを忘れて来てしまった。

そのことに気づいたのは昨日ビールを買ってテン場へ戻る急坂を登り返している時だった。

 

2泊なのに!

バッテリーは2個持って来てるのに!

 

いろいろな方法を考えたが、結局、山岳警備隊の方にお借りできないか尋ねる、という一番情けない方法を試みることにした。

 

ケーブルだけ、というのが良かったのか?、当番で待機していた隊員は、今まさに自分が使っていたケーブルを外し、快く貸してくれた。

彼がここにいる夕方5時までには返さなければならない。

 

しかし、お陰で私のスマホは滞在中全く不便なく使うことが出来たのだった。

この場をお借りして、

その節はご迷惑をおかけいたしました。

ありがとうございました。

 

 

 

 

さて。

2日目は予報通り登山日和となった。

4時にタイマーをセットし(私は友人に起こしてもらった💦)

4時30分テント場をあとにする。

空は白白として来たが、まだ暗く、足元は危ない。

ゴロゴロした岩の転がる河原を慎重に剣山荘に向けて進む。

しばらく行くと小屋の灯りが目印となった。

 

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約45分ほど歩いて剣山荘到着。

小屋はもう目が覚め、朝食の支度で賑わっていた。

中にあるトイレをお借りする。

まるで山の中とは思えない整った小屋であった。

小屋の裏手から登山道が始まる。

いよいよだ。

昂まる気持ちを抑えながら、5時30分最初のポイント【一服劔】を目指してスタート。


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わりとすぐに第1鎖場に到着。

予習した通り、鎖の意味はあまりない。
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いつの間にかヘッデンはいらなくなり、5時50分、後立山連峰(たぶん)に登るご来光を拝む。

早くもそこで休憩(笑)
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第2鎖場を越えるとわりとすぐにピークっぽいところに着いた。

ここが一服劔?と思って看板を探すもそれらしいものはない。

キレイな劔さまの写真を撮って(実は前劔さま💦)先へ。


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急な斜面をジグザグ下っていると、道標を見つけた。

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やっぱりあそこが一服劔だったのね。

思ったより近くにあった。

そして向かうは前劔さま。

あのピークをアップダウンしなければならない。
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私は気を紛らすため、鎖場の数を数えながら進んだ。
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あまりにも長く険しい登りだったので、前劔ピークより手前で休憩をとる。

あと一息が続かない。

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7時30分前劔登頂。


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さあ、山頂も見えて来たぞ!

しかし、まだまだアップダウンは続く。
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この辺りからまさに命懸けの難所が現れ始める。

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足場や持ち手がちゃんとついているから慎重に進めば大丈夫なのだが、ふと冷静に足元を
見やるとその高度感に身体が硬直してしまいそうだ。

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そして、登り最大の難所、【カニのたてばい】到着。

ものの本によると高低差が50メートルとか?

どこまでのことを指しているのかわからない。

途中、段差が大きなところがあり、ほかの登山者にアドバイスを受けながら体を持ち上げた箇所があった。

足場が崩れてしまったらしい。
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目の前の岩壁に集中し、なんとかたてばいをクリア。

よし、もうそこは頂上…

かと思いきや(笑)、まだまだアップダウンは続くのであった。

勉強不足で「聞いてないよー💦」
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たてばいから30分。

やっと祠が見えて来た。
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9時25分山頂到着ー!

予想以上にしんどくて時間がかかってしまった。

たくさんの人で賑わう中、山頂写真の列に並び、お互い撮り合いながら達成感を味わう。
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360度の眺望を楽しみながら、コロッケパンをいただく。
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団体さんがいなくなると山頂はグッと静かになった。

40分ほど滞在し、湧き上がる雲を見てぼちぼち下山することに。

 

歩き始めてすぐに、下山ルート最大の難所【カニのよこばい】に到着。

山頂直下の【たてばい】と【よこばい】は一方通行となっており、すれ違いはない。

ここは、ほぼ垂直の岩壁の横に入ったヒビに足のつま先を入れ、鎖を頼りに数メートル横移動する、全ルートの中で最もスリリングなところだ。

予習によると、最初の一歩の場所が分かりづらく、見えないので勇気がいる、とのことだったが…。

 

なんと。

ご親切に赤ペンキでちゃんと誘導してくれていた。


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続くハシゴも無事クリア。

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ハシゴの先に簡易トイレ用小屋があった。

でも中を覗く勇気はなかった(笑)


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剱岳の大変なところは、

登りと同じだけ下りにもアップダウンがあるところだと思う。

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山頂直下たけでなく、一方通行はまだあった(笑)


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前劔を巻くように下山路が作られていた。


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標高が下がるとだんだん雲の高さになってきた。

そして最もケガをしやすいとされる下山の長いガレ場のあたりに来ると、私は両足の小指が死にそうになり、一歩踏み込むことにウッ!とかイッ!とか声が出る状況になってしまった。

六甲山縦走と同じパターンだ。

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思い出して痛み止めを服用。

痛みは消えなかったが気休めにはなったかもしれない。

もっと早く飲めば良かったな。またしても。


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一服劔をクリアし、眼前に剣山荘が見えて来た。

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ビール!ビール!

私たちはそう声を合わせながら、最後の下りをフラフラと下りた。

13時ちょうど、剣山荘到着。無事下山!

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とるものもとりあえず(笑)、受付へ駆け込み

ビールとおでんを注文。

乾杯!

遅脚の私に付き合ってくれてありがとう!


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思えばコロナ禍で生ビール自体久しぶりだ。

くぅー!!!

美味しさと感動で体が崩れ落ちる(笑)

景色を堪能しながら人生最高の一杯を心ゆくまで味わい、

テン場用に缶ビールも買って(笑)

剣山荘をあとにした。

 

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約30分ほど歩いて剣澤小屋に到着。

昨日払えなかったテント場代を払わなくちゃ…


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ん?なんと!

昨日からテント場は無料だったのか!

だから昨日管理所も閉まっていたのね。

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昨日は真っ白で何も見えなかった同じ場所で、劔さまの勇姿をカメラに収めた。

友人は有名な小屋Tシャツを購入。

そしてテン場まで戻った。

 

 

テン場からはこんなに近くに劔さまが!
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今日の行程と、自分の体力の無さを反省しながら宴へ。


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私は疲れていても食べられるチキンラーメンとウインナーをチョビチョビ焼きながら、暮れてゆくテント場の夜を楽しんだ。