モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2018.7.21-22立山ソロテン泊2日目雄山から別山

夜中に目が醒めることなく、1時50分のタイマーが鳴った。

やはり体を横にして休めるというのは尊いことだ。
お酒も残らず気持ちよく体を起こし、出発の準備を始める。

2時30分、予定より少し遅れてしまったが雄山に向けて出発。
見上げると天の川。


本当は、
雷鳥沢キャンプ場から一ノ越へ直接向かう沢沿いのコースがあったのだが、
下調べをしていないことと、あまりの暗闇のため、
安全策を取り、みくりが池方向へ向かった。

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しばらくは石畳を歩くので迷うことはない。
ヘッドライトが照らすだけのわずかな明かりを頼りに、無心に進む。
いつもながら、この非日常に笑えてくる。


時折足を休めライトを手のひらで覆い、夜空の美しさを堪能する。
あー、これを残せるカメラが欲しい。



立山の代表的な山である雄山は山頂に神社があり、昔は女人禁制だったが今はお祓いをしていただける。
そしてそれほ日の出と共に始まる、ということだったのでなんとか日の出の時間までに山頂に着きたいと思い、一ノ越までの緩やかな斜面を息を上げて進む。
雪渓は凍りついているので滑落に注意。

すると、予想より早く午前3時55分に一ノ越にたどり着くことが出来た。
山際に冷たい風が吹き抜ける。

ここから雄山山頂まではコースタイム1時間。
山頂でご来光、には間に合わなくとも、かなり高い場所で日の出を見られるかもしれない、と
引き続き足を進める。

テント場から眺めていても感じたとおり、ガレ場の急斜面はなかなか歩きづらく、気を許すと滑り落ちてしまいそうだ。
また、不注意で石を落としてしまわぬよう注意する。

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だんだん空が白んじてきた。

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午前4時47分、雄山神社社務所に到着。

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山頂の神社では神主さんが日の出を待っている。

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雲の隙間から登る日の出を皆さんと迎えた後、お社の前に腰を下ろしてお祓いを受けた。

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神主さんの安全登山を祈願する祝詞がとても具体的で分かりやすかった。
お神酒をいただき、社務所に戻る。
朝日が差し込みまぶしい。

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御朱印をいただき、山頂限定山バッチを買い、少し腹ごしらえ。

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5時40分、次のピーク大汝山を目指し進む。

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山道は北側?に作られていて朝陽は当たらないが、室堂平が見渡せる。

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午前6時過ぎ、大汝山に到着し、山頂で写真を収め、直下にある大汝休憩所へ。
ここは2014年公開の映画【春を背負って】の舞台となった小屋。



予定よりだいぶ時間が押していたので写真を撮って通過する。


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6時25分富士の折立に登頂。
このピークはルートから外れているので荷物をデポして登る人が多かった。

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富士の折立から先はがれた道を慎重に下り、標高をぐっと下げる。

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下から見上げたところ。

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なだらかな稜線を真砂岳に向かって進む。

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イワギキョウ?が美しく風に揺れている。

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ケルンが積まれた稜線を過ぎると分岐が現れた。
登る方には“クラノスケ”と書いてある。

ああ、また真砂岳の山頂を見逃したんだな。
さっきのケルンのあたりだったのかな。

時間の遅れを気にして急ぎ足でここまで来た私には、
左の道に進むことに迷いが無かった。
しかしこれが大間違い。

しばらく進んでから、地図を確認すると、
やはりあの分岐を登った稜線上が真砂岳山頂だったらしい。

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振り返って確認し、残念だったが戻る時間はない。
気を取り直して別山へと足を進める。

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ここから若干の登り。しかしつづらに道がついているので思ったほどキツくはなかった。

山頂近くまで来ると、右側へ巻道があった。

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別山北峰への道だ。
すでに山頂の一部といった感じで、高原のような清々しさ。

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山頂に残った雪渓は溶けて川の始まりになっている。

そして目の前には

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力強い剣岳の姿。
目の前に感じる近さ。
そして雷鳥の親子が(°▽°)

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別山登頂午前8時20分。

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そして本日のメインイベント、昨日富山駅で購入した富山名産ますの寿司を、剣岳を目の前にしていただく。

風もなく見晴らしも良く、絶景モーニング。

傷んでいないか心配だったが、とても美味しくいただくことができた。

ミッションをコンプリートして満足していると、
どうやら富山県警のヘリコプターが剣岳の中腹まで来てホバリングしていた。

やがて劔沢のヘリポートで何かを下ろして去っていったが、あれは訓練だったのだろうか。


剣岳、いつかは挑戦したい山のひとつである。



急ぎ気味にここまで来たので9時までしっかり休憩し別山乗越に向けて出発した。

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別山から少し下ると劔沢全体を見渡すことが出来た。


圧倒的な景色の中、別山乗越に到着。

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お手洗いを済ませ、一路雷鳥沢キャンプ場に向かって下山する。
コースタイムは1時間20分。
11時には到着していたい、と思いながら
はるか彼方にちんまりと見えるキャンプ場を見やる。

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かなりの角度をつづらに下っていく。

標高が下がると気温も高くなり、
足元から暑さが立ちのぼって来る感じ。

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昨日歩いた浄土山、さっき歩いた雄山からの稜線。

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鳥のさえずりとお花畑。ここは天国か?


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午前10時45分テント場到着。
なんとか予定内で下山することが出来た。

日差しを遮るところがないテント場に戻り、
とりあえずテントの中の荷物を出し、外に敷いたシートの上にマットを敷いて靴を脱いで体を横たえる。

顔を帽子で隠して息を整える。

キャンプ場のざわめきが心地よい。

5分ほど体を休めた後、撤収作業に入る。
今日は15時発のバスに乗り富山駅へ向かう予定。
それまでに温泉でさっぱりしたい。

逆算して12時ころにはここを出ることにし、割とのんびり荷物を片付けた。
この日差しでテントもすっかり乾いている。

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早朝から約13キロを歩ききり、さらに18キロほどの重さを担いで登るにはつらいこの石段。

やっとのことで12時50分みくりが池温泉に到着。

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外のデッキの隅にザックを下ろして、着替えを持って温泉へ。

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山の上なのにシャンプーなど使えるという恵まれた温泉。
さっぱりしてバスの時間までのんびり乾杯。


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3本目を我慢してバスターミナルに向かい無事に乗車出来た。

あまりの暑さにバスのエアコンも効かないようだったが17時30分富山駅到着。

明日の仕事の為奮発して帰宅の足に選んだのは新幹線。
時間まで駅ビルの【8番ラーメン】でお腹を整える。

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予定通り発車した新幹線では、富山駅を出発した後車掌さんが立山連峰の紹介をしてくれ、

私にとっても旅の締めくくりに華を添えてくれたようだった。