2日目の朝は3時にアラームをセットした。
しかしもっと早くから周りの人たちが下山の準備をし始めていたのでテン場は騒がしかった。
普通の声で話している人もいたのは辟易。
夜中、お手洗いに起きることもなく熟睡出来たので快適に登山の準備を始める。
やはり上着が欲しくなる寒さ。
私たちはテントを張ったまま観音岳と薬師岳を縦走し戻って来る予定なのでアタックザックに水を補充して3時50分登り始める。
登り口は水場の横。
真っ暗の中○印を探しながら進む。
沢を越えハシゴを登るとさりげなく急登が始まる。
全ての生き物が寝静まった静寂の中、息を上げながら慎重に進む。
暗くて見えないけど結構な急登だなー、と思いながら進むこと約50分、
明るくなり始めた空の向こうに見えるのは八ヶ岳。雲海が神秘的。
5時ちょうど、観音岳と地蔵岳の分岐に到着。
道標を見ると観音岳山頂まではここから40分もかかるらしい。
まだまだ先だ。
白い砂の道を進んで行くが、道が2つに分かれている。
そのまま急登の岩場を登るか、
ハイマツの茂みに入って行くか。
なんとなく傾斜の緩いハイマツの方を進んだ私。踏み跡は付いていたけれどやはりイレギュラーのコースだったらしく、
尾根に合流する手前ではまさかの藪漕ぎとなってしまった(°▽°)
樹林の中で迎えた日の出。
なんとか尾根に合流。
岩場に咲くタカネビランジ。
観音岳直下では見事な富士山。
午前5時40分、観音岳到着。
すっかり夜も明けて最高の青空が広がっている。
最高の光の中、朝ごはんを食べしばらく休憩。
写真を撮ったり撮ってあげたりしながら絶景を楽しむ。
30分ほど楽しんだあと薬師岳に向けて出発。
最高の天候の中稜線歩きを堪能する。
右手には南アルプスを代表する山々が圧倒的な存在感でそひえている。
午前6時40分薬師岳到着。
目標としている北岳の急峻な山肌におののく。
動画を撮ったり写真を撮ったりして今来た道を引き返す。
太陽が昇っているので景色も変わって見える。
何本も重なる飛行機雲が面白い。
観音岳を過ぎると隠れていた甲斐駒ケ岳も見えてくる。
午前7時55分分岐まで降りて来た。
予定より早く小屋に戻れそうだ。
登って来るときは暗闇だったから、帰りは樹林帯の雰囲気を味わって歩く。
うん、結構急登だ。
8時35分ガラガラのテン場に戻って来た。
予定より早い時間だったのでのんびりと軽食(魚肉ソーセージとか)をとりテントを撤収する。
マイテントデビューの友人に無理やりやらせた(笑)
下山は予定ではドンドコ沢コースを戻るつもりだったが、
道の荒れ具合と山小屋のスタッフさんの勧めにより、
御在石コースを選んだ。
9時55分、テン場を後にする。
左手に八ヶ岳を拝みながら穏やかな山道を緩やかに下っていく。
「このコース歩きやすいね!正解だね!」
浮かれポンチの私がはしゃぐ。
しかしそれはすぐに打ち砕かれる。
約1時間歩いたところで足を止めて休憩。
しかしそのすぐ先に“燕頭山”のピークが。
「ここで休憩すればよかったねー」
と思うほどの清々しい森の中。
ここで友人が大切なことに気づく。
「御在石鉱泉から青木鉱泉までバスとか無いのかな?」
おお!
急いで調べる。
JR韮崎駅から出ているバスは1日3本だったが、
なんと14時10分という絶妙な時間に御在石鉱泉から青木鉱泉に行く便があるらしい!
私たちはこのバスに乗れるようなペースで下山することにする。
そしてここから先が急登が果てしなく続く厳しい下山道だった。
地図にある旭岳の祠。
何組かのパーティとすれ違ったが、
自分たちが標高を下げるたびに“こんなコースをあの若者たちは登って来ていたのか!”と感動。
急斜面を避けて選んだ御在石コースだったが、
いやいやどうして、このコースもガンガン下るアグレッシブな斜面だった。
軽くなったとはいえ、10キロ以上の重さを背負って1メートルくらい(大げさ(笑))の段差をガンガン下るのは、体に響く。
言うなれば陣馬山の明王峠から相模湖までのような斜面をこの負荷で2時間以上下るようなものだと思っていただければと思う。(山道の雰囲気も似ている)
13時10分、西ノ平峠通過。
あともう少し!
でも油断ならない崩落の箇所を慎重に超え
↑驚くほど広い面積の法面。
時計と地図を交互に見ながらなんとか13時55分に 御在石鉱泉到着。
御在石鉱泉のお宿の裏手に出て、一瞬廃墟か?と思ってしまったが、
下山した私たちに温かく声をかけてくださったご主人は、利用者がいないと通過してしまうバスの運転手に向けて連絡を取って下さり、
私たちは安心して待つことが出来た。
歩くと1時間近くかかる道のりを、バスで10分ほどで青木鉱泉に到着!
これは本当に助かった。
駐車場料金(2日で1500円)を宿に支払い、韮崎インター近くの秘湯旭の湯でゆっくり汗を流し体をほぐして、
午後4時、混雑している中央高速に乗ったのであった。