モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2018.12.29表尾根で登り納め…のはずがケガのためリタイア

晦日、ガチガチにテーピングで固めた足を眺めながら、
一人自宅のリビングでこのブログを書いている。

……………
新しい仲間もでき、充実した山登りが出来たこの1年に感謝し、最後に選んだのはこちら。

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先々週悪天候のため行けなかったこともあり、
ぜひ今年のうちに登りたくて、
このために年末の家事も全て終わらせて、
おにぎりを握って早朝の小田急線に乗った。


この時期だからそんなに登山者もいないだろう、と思ったけれど、
渋沢駅からヤビツ峠行き7時44分発のバスは臨時も含めて3台がでた。
私も座って行ける2台目を選んだ。


雲ひとつない絶好の登山日和。
くっきりと青空に映える稜線を眺めると心が浮き立つ。

8時20分終点ヤビツ峠に到着し、お手洗いと登山届の提出を済ませ、歩き始める。

ピンと張った空気は日陰を歩くと耳が痛くなるほどだったが、
日向はポカポカ。

車道を約25分歩いて、8時55分山道に入る。

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まずは二ノ塔に向けてじっくり体を温めていく。

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稜線に出てから振り返るとキラキラの相模湾
今日は大島まではっきり見える。
そしてお隣の大山。
こちらもたくさんの人が登っているのだろうな。

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9時50分、二ノ塔到着。

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山で初めて着用してみた話題のデカトロンのフリースがとても温かく、一汗かいたのて、
アウターのジャケットを脱ぎ、
三ノ塔に向けて進む。

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登山道の階段が新しくなっている。
そういえば三ノ塔の避難小屋も建て替え中とのこと。

山頂が、近づくと工事中の重機の音がしてきた。

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10時15分三ノ塔到着。
年末にもかかわらず避難小屋の工事を進めて下さっていることに感謝。


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美しい富士山に見惚れつつ、はっきりと見渡せるこれから歩く稜線に、
こんなに最高のコンディションで表尾根を歩けるなんて、
幸せ以外の何ものでもない!とウキウキワクワクしながら自然とテンポも上がっていた。




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三ノ塔を越え、
冬装備のお地蔵様に手を合わせ、可愛い三角屋根の避難小屋がある烏尾山まで綺麗な富士山を眺めながらグッと下って行く。

目で見るより登り返しも全然きつくない。

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ガレた下り坂も安定して歩くことが出来、
この1年でまた自分のスキルも上がっちゃったかなー、とペースがまた上がる。

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烏尾山到着。


富士山がどこまでも美しい。
塔ノ岳山頂の山小屋が少しづつ近づいてくる。
この調子なら、予定より早く下山できるかもしれない、と足取りも軽くなった。


ところが。

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午前10時40分。
行者岳を越え、ここから鎖場が始まるぞ、とストックを畳んで気合いを入れ直したところで、

グキッ!!!!


確か2箇所目の小さな鎖場だったと思う。
愚かな過信が、目測を誤り、
予測より高さがあった段差で足を伸ばして着地てしまったため、

感覚としては膝が逆に曲がってしまったかのような激痛だった。

転倒し、座り込んで痛みをこらえる。

痛めたのは膝だ。
ゆっくり伸ばしてみる。
直角より少し大きい角度くらいまでは伸ばすことがてき、足もなんとか着くことが出来た。

ストックを突きながら、そーっとなら歩けるかも?とゆっくり歩いてみると、

三歩ほどでまた足を蹴られたようにガクッとひっくり返ってしまった。


冷静に冷静に。

ある角度を保てれば歩くことが出来るから、
そこに注意して…と進む。

しかし、注意していても何度もグキッと繰り返して転びながら、私はこの山行の継続が不可能であることを悟った。

とりあえず、痛めた膝をバンダナで固く固定する。
少しはマシになったが、やはりその後も何度か転倒。

いつ転倒するか分からず、またここからは痩せ尾根が続くので、
転倒して滑落などしたらシャレにならない。

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表尾根一番の長い鎖場をなんとかやり過ごし、

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政次郎尾根分岐まで来たところで下山を開始する。

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地図を見ると、傾斜は急たが、
コースタイムは約1時間となっている。
時刻は11時50分。

三倍の時間がかかっても、なんとか日が落ちる前に林道に出ることが出来るだろう。

私は初めて歩く政次郎尾根に足を踏み入れた。

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すぐに急斜面が始まる。
幸いなことに、なんとか足を着くことが出来たので、引き続き角度に注意しながら下りていく。

しかし、順調、と思ったころでまたグギッとやってしまい、痛みがぶり返す。

枯れ枝を添え木にして
バンダナと手ぬぐいを細く引きちぎり、膝を固定し直す。

そして、
座ったついでに昼ごはんを食べることに。

幸い、まだ日差しの当たる場所だったので体を冷やすことなく休憩することが出来た。

登って来る登山者が教えてくれた。
「こんな斜面がずーっと続きますから気をつけて下さいね。」

聞いてみると鎖場などは無いとのことだったのでとにかくゆっくりでいいから膝の角度に気をつけて下っていく。

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ここの標高差は約700メートルほど。
変わりばえのしない景色の中、痛みをこらえ、何度も転びながら一人で歩くのは、辛抱のいることだった。
誰もいないのをいいことに、「くそっ!!」と叫んでみる。


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片足をかばいながらの歩行は、体のほかの部分も疲労させる。
ゆっくり、そして休み休みに午後2時40分政次郎尾根登山口に到着。

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バンガローのような小屋が点在していた。
しかし廃墟のようだ。

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地図を見ると、ここまで車が入ることが出来るようだ。
私はスマホを取り出す。

しかし。


圏外。


( ̄◇ ̄;)





山登りを舐めてはいけない、とさらに思い知る。


夏場は登山警備派出所が設置されるところで、お手洗いを済ませる。
膝が曲がらないので苦しかった。

隣接の東屋でもう一度食事休憩。

握って来たおにぎりと、山頂で食べようと思ったスープをいただく。
おにぎり、大きめに握って来て良かった(笑)


腰を下ろすと何とか山から下りて来られたという安堵感に包まれる。

見おろすと河原で幕営している人もいる。

本当にダメになったら、あの人たちに頼ってみよう、と心が決まったところで、

アンテナが立つところを求めて林道を歩いた。


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地図にも載っている作治小屋は、誰もいなかった。
そしてまだ圏外である。

平坦な林道を、ゆっくりゆっくり歩いていく。
歩きやすいな、と思うとまたグギッ!
添え木も完全ではないのである。

林道が少し広くなった場所に来た。

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新茅荘という小屋もある。
スマホを見ると、
アンテナが!

タクシー会社に連絡し、約20分ほどで来るというタクシーを待つのみとなった。

助かった…。

家族ともそこでやっと連絡が取れ、
とりあえず自宅まで帰れそうということを伝えた。

…………

ここまでが山行記である。

さらに、タクシーが到着し、運転手さんは私の様子を見て、揺れの激しい林道をなるべく振動しないように運転して下さり、
さらには渋沢駅に行く途中の薬局に立ち寄って下さって
とても良くしていただいた。

サポーターを買い、駅のホームで添え木とバンダナを取り替える。

なんとか地下鉄千代田線大手町駅までたどり着き、そこで力尽きた私は
そこから自宅までタクシーて帰宅した。

自宅に着いたのは午後7時。

登山靴を脱ぐのも一苦労だったが、
長かった1日がやっと終わったことを実感したのであった。

…ということで、
年末年始は病院も休みなので、とりあえず自己流テーピングで膝を固めて安静にしている。
休みが明けたら病院に行く予定だ。

さらに、
こういうケガはしっかり治さないとすぐに再発するので、

2019年は、しばらくお山も休もうと思っている。

焦らずに体と向き合って、また楽しく山に登れるようになるまで、

しばらくごめん下さい。