40歳の誕生日を富士山頂で迎えたい、と目標を立てて始めた私の山登り。
おかげさまで今年で10年たった。
その間に様々な人や山との出会いがあり、ますます魅了される毎日。
そんな記念すべき今年はどこに登ろうかといろいろ妄想していたが、
まだ未踏であったこの山に挑戦しようと密かに決意し、このところの急登トレーニングはそのためであった。
コロナ禍のため単独ということになったので、アクセスは公共交通機関を利用。
日程をずらしたためか始発のあずさもガラガラ。
ここから南アルプス交通のバスに乗り2時間弱かけて広河原まで向かう。
梅雨が明け、これ以上ない天気。
実はこの日までに2回、悪天候のため予約をキャンセルしていた。
コロナ禍で南アルプス市営の山小屋はテント場も含めて予約制となり、2回のキャンセルは痛かったが、テント泊だったのでそれは幸いだった。
11時、広河原に到着。
南アルプス北部の拠点であるここに来るのは実は初めて。
本来ならここでバスを乗り換えて、甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳の登山口である北沢峠まで行くことも出来るのだが、2019年の台風による林道崩落により不通になったまま。
私が目指す北岳はここから登山が始まる。
キレイなインフォメーションセンターでお手洗いを済ませ、橋を渡って広河原山荘で水を補給する。
18キロのザックを背負い、今日のゴール白根御池小屋を目指す。
北岳山頂へのアプローチはいくつもあるが、私が選んだのは白根御池小屋を拠点に周遊する2泊3日のコースであった。
トレーニングを重ねても、テン泊装備を3000メートル近くのテント場まで担ぎ上げるのは私には無理。
それでも小屋までの標高差500メートルの登山道は急登と言われ、修行だった。
いろんな人のSNSや動画を見て予習したが、このルートの写真の情報が少ない。
なぜかというと、ずっと代わり映えしない樹林帯の急登だったからだ。
山荘をスタートして約1時間、第1ベンチに到着。
ちょっとした広場になっているが、ちょうど真昼間のこの時間は日差しを遮るものがなく暑い!
かろうじて日陰のベンチにて荷物を下ろして休憩。
ここから、新しい階段とつづらの道が交互になった急登がまだまだ続く。
たくさんの人が私を追い越していった。
約40分ほど登って第2ベンチ到着。
行動食の菓子パンを頬張り、最後のひと登りに備える。
やがて小屋を指す最後の道標をすぎると道は緩やかになり、
崩落した斜面や
勢いよく流れる沢などを越え、
森を抜けると
午後2時半、白根御池小屋テント場到着。
なんとか目標タイムで登れたようだ。
途中焦らずに腰と荷物を下ろして休憩を取ったのがよかったのだろう。
受付はテントを張ってからでいい、とのことだったので、池を見下ろす場所に張り、
受付をしてくつろぎ体制。
翌朝は深夜出発の長丁場になるので、早目に就寝した。
つづく