モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2023.9.28-30涸沢テント泊奥穂北穂縦走②

前日はテント場に着いてからスマホの電源を切ってバッテリーの温存に務め、就寝時にアラームセットのためオンにした。

 

翌朝も75パーセントの容量で2時45分のアラームが鳴った。

 

今日がこの遠征登山のハイライト。

ザイテングラートを登って奥穂高岳へ。

ありがたいことにたくさんの動画で予習することができ、あとは実際の高度感と恐怖心に打ち勝てるか。

 

まずは涸沢小屋横から始まる樹林帯を、暗いうちに通過したい。

3時30分スタート。

 

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自分のテントからはパノラマルートが近かったが、何せこの暗さ。

途中、樹林もなくなり、ガレた岩がごろごろ広がるところでは危うくルートを逸するところだった。
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約1時間歩き、ザイテンの取り付きに到着。

テント場から見上げているとそんなに時間がかかるようには思わないのだけれど、やはりスケールが違う。

ここでストックをしまい、エナジージェルを投入。

そしていよいよザイテングラートへ。

思ったほど寒くない。

しかし今シーズンも滑落事故が起きている。

慎重に進まねば。

 

憧れの稜線上にある穂高山荘に向けてほぼ直登というこの岩場。


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足場が不安なところは躊躇せず両手を使う。

でも親切に鎖やハシゴが設置され、難しいと感じる箇所は無いまま、
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5時37分、夜が明けた。

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どうやらモルゲンロートはこの辺りで迎えることになりそうだ。

…とセルフタイマーで何枚か挑戦するが(笑)


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5時50分穂高岳山荘到着。

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小屋の前のベンチで荷物を下ろして少し休憩。

無事にザイテングラートをクリア出来て嬉しかった。

奥穂高岳はさらにここから急な岩場をよじ登って約1時間ほど先。

朝日に照らされ、温まってきたとはいえ、時折強い風が吹く標高3000メートルラインはじっとしているとどんどん寒くなってくるので、

休憩もソコソコに、先へ進むことにする。

まだ岩稜帯という緊張は続くが

小屋からの最初の鎖場の急登をクリアすればあとは問題ない(らしい)

ほぼ垂直の鎖場で山頂でご来光を見た人たちが下山してくるのをやり過ごす。

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集中して目の前の岩と向き合い、

 

振り返るとすでにこの高度感。
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ハシゴや鎖を伝い上がると、斜面はやや緩やかに。

引き続き歩きやすいツヅラの道を稜線に向かって歩いていく。

おそらく稜線に上がったが、道は西側についており、猛烈な風が吹いている。

私はアウターとして着用していたレインウェアのフードをヘルメットの上から被った。


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視線の先にかの有名なジャンダルムがとても近くに見える。

6時47分山頂到着。

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風は強いが、何という絶景!

過去に何度が通過している山友が見ることの出来ていないこの景色に思わず声が出る。

順番を待って、山頂から360度の動画を撮る。

これは昨日の暴風雨を耐えた者だけに与えられるご褒美だ。

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槍ヶ岳もキレイにくっきり。
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しかし山頂は狭く風も強かったので、10分ほどの滞在で小屋へ下山した。

岩稜帯は下りの方が要注意。

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さっき休んだ同じところで背中に朝日を浴びながら昨日握って来たカチカチのおにぎりを頬張る。

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日差しが当たって暖かいかと思いきや、やはり風が体温を奪って行った。

 

山バッヂを買おうと思い、売店へ。

充電のことも聞いてみると、200円でご自由に、とのこと!

早速つながせてもらい、ホットカルピスを飲みながら30分ほど過ごした。

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62パーセントだった残量はなかなか上がらない。しかしその先のこともあるので68パーセントで切り上げ、丁重にお礼を告げて、小屋をあとにした。

 

とりあえず、奥穂の反対側、涸沢岳のピークを目指す。

鋭角にそびえているが登山道は歩きやすくつけられているので、テント場の先からゆっくりゆっくりと約30分ほどで涸沢岳ピーク到着。


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そこから見た北穂高岳槍ヶ岳

 

ん?

近くね?
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とりあえず最初の恐怖ゾーン、垂直降下の鎖場をのぞいてみる。
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ふむふむ。

確かに角度はあるが、吸い込まれそうな恐怖感は無い。
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まだ8時45分という時間とこの絶好のお天気に後押しされ、私は北穂高岳まで縦走することを決めた。

 


続く→