モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2023.9.28-30涸沢テント泊奥穂北穂縦走①

職場のデスク横に飾ってあるのは3年前に行った涸沢カールの写真。

まだ到達していないあの稜線に今年こそ立ちたいと計画を立てた。

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時期は9月の終わり。

それぞれ忙しく、同行する仲間を見つけることはできなかったが、その分天気予報に合わせて日程をずらして決行。

 

27日夜発の上高地行きでエントリー。

今回はおかげさまで爆睡でき、気付いたら『中の湯入口』。

予報通り薄暗い空からは雫がポチポチと落ちて来ている。

そこでなぜかふと気がついた。

 

“モバイルバッテリー忘れた!”

 

2泊3日の遠征登山だと言うのに何という致命的なミス!

ソロの退屈な時間を紛らわすために音楽やら本やらをいろいろ仕込んで来たというのに!

テント場では、ヒュッテ泊の人以外の充電をいかなる場合でも受け付けない、と忠告されている。

 

一瞬で目が覚め、どうすればいいか思考を巡らせる。

 

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バスは予定より早くターミナルに着いた。

時折強い風と雨が吹きつける中、支度の出来た人たちからどんどん居なくなっていく。

私は、どん底に落とされた気持ちで2階の食堂売店が開くのを待った。

6時になり、シャッターが上がると朝食を求めてパラパラと人が吸い込まれていく。

私は食堂ではなく売店エリアを物色した。

某メーカーの登山用品が揃って置かれていて、こんなところで買う人いるのかな、と思いながらモバイルバッテリーを探す。

店員さんに聞いたが当然売られていなかった⤵︎

 

ショックすぎてお腹も空かない。

そのまま1階の売店が開くのをを待つことにする。

開店8時30分…⤵︎

 

どうしよう、中止して帰ろうかな、せっかく来たのにな…

でも…

手元にあるiPhoneは、この遠征登山のために買い替えたもの。

バッテリーもタフなはずだ。

3日間をこれで過ごしてみるのもアリではないか?

とポジティブに考えが変わった。

 

決行すると決まったらお腹が鳴り(笑)、おにぎりをしっかり食べ、6時30分涸沢カールに向けスタートした。

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ということで、横尾までの約10キロの林道歩きは写真がほとんど無い(笑)

雨だったし。

 

電源を忘れたおのれの環境よりもっとバッドなことは何か、そんな心の底を掃除するようなことを考えながらひたすら歩いた。

 

⚪︎昔の人はスマホなんて無かった。

⚪︎買い換える前のスマホだったらバッテリーは保たないだろう。

⚪︎カメラを忘れるよりはよかった。

 

とにかくそんな感じで明神館、徳澤園、横尾小屋と小屋ごとにしぶとく売店でモバイルバッテリーを扱っていないか聞きながら進んだが、売ってはいなかった。

 

しかし、貴重な情報を徳澤園で入手することができた。

「有料の充電機がありますよ」

 

おお!

帰りにここなら充電することが出来るのか!

これからの3日間に少し勇気をもらった。

 

予報通り、横尾までの道は雨。

横尾に着いたときが一番コッテリ降っていたかもしれない。

座る場所もなく、でも足を休ませたくて、

荷物は外に置き、ビニールを敷いて木陰のベンチに座った。

水不足、ということでここで3リットルほどの水を補給する。

 

横尾から見えた屏風岩。

雨の時しか見られない滝が現れていた。

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本谷橋到着。

数日前、あまりの水不足でここの水が枯れていたらしく、

今日のこの豊富な流れを見て安心しながら休憩。f:id:jzm02454:20231009154118j:image
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補給した水を含めておそらく20キロほどになった荷物を背負って本格的な山道に入る。

足も心肺もヘロヘロ。

もうテン泊登山は無理になってきたのかもしれない。


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途中、Sガレで一度休憩を入れ、

涸沢カール下まてやつとのことでたどり着いたのは14時近くになってしまった。


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設営をし、チェックインの15時30分までテントの中でごろ寝。
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幸い設営中は風こそ吹いたものの、雨には降られず。

しかし夜が更けるにつれ雨風が強くなり、

夕食はテントの中で、となった(自己責任)。
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明日の本番を前にアルコールも控え目に。

悪天候のせいかテン場もガラガラの初日であった。

(バッテリー残量75パーセント。)


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