モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2023.9.28-30涸沢テント泊奥穂北穂縦走③

奥穂高岳に無事登頂し、穂高岳山荘で少しバッテリーを回復させた後、その先のことは登ってみて考えよう、と涸沢岳へ。

涸沢岳から北穂高岳への入口は確かに垂直降下のようだったけれど、上からのぞいて足場も見えたし鎖などもしっかりあり、何より8時35分という時間とこの最高のお天気に後押しされ、私は北穂高岳までの縦走を決めた。

 

ちょうど1人が降りられるようなくぼみの中を慎重に進む。

確かに急な斜面はテン場まで続く長い長い滑り台のようだったが、不思議と恐怖感はなかった。

 

(ここからの写真は岩稜帯ばかりなのでいろいろ伝わらないかもしれない)

 

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足場の落ち着いたところまで降りて振り返る。

結構な斜面だ。
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さらに下って行く。
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急峻な岩稜に巻かれた鎖を頼りに、カニの横ばいのような道がしばらく続く。
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足場のしっかりしたところで深呼吸。

きわどそうに見えるが鎖もちゃんとある。
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そして振り返る。

逆のルートで、最後に涸沢岳までのこのビジュアルを見るとメンタルやられそう(笑)
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ちょうど1時間ほど歩いたので休憩を入れる。

奥穂北穂間のコースタイムは3時間ほどだったので、

私は途中必ず2回は休むことを決めていた。

アドレナリンが出ていて体と気持ちの疲れをキャッチできないと思ったからだ。

 

やっと日が当たり始めたテント場を見下ろしなから食べるレモンの砂糖漬けの痺れる美味さ!
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ヘルメットを外し頭にクールな風を入れ込む。

さて。10分ほど休んで先へ。

狭い岩の塊を風に煽られながら越えたところでさっきの所にサングラスを置き忘れたことに気づいた。

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この鈴があるところにザックを置いてサングラスを取りに戻って少しロス。

最低のコルはそこからすぐだった。


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北穂高岳はすぐそこに見えるのに、なかなか近づかない。
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アップダウンを繰り返しながら大きな山肌に取り付いていると【奥壁バンド】というところに到着。

西側の斜面で確かに急峻な斜面が切れ落ちている。

事故も多い区間なので慎重に3点支持で歩く。

ここは鎖がないので緊張した。

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下ったかと思ったら垂直に登らされる鎖場。
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ドキドキする岩場を越えるたび大きくなる北穂高岳
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急な斜面のアップダウンをもう一度クリアし、
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テント場を見下ろせるステージのような岩場を発見して休憩。

時刻は10時50分になっていた。
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あと少し、という思いと、離れたくない思いが交錯する。

とにかくこのお天気が最高だったのだ。

この辺りで5組の登山者と遭遇。

3人は後ろから来て、

2組は北穂から。

この天気を讃えお互いの無事を祈りながらすれ違った。


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さらに山肌をよじ登っては下って、を繰り返して

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涸沢カールからの登山口との合流地点に到着。
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山頂はすぐ!
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11時36分北穂高岳到着。

3年前のガスガスな山頂の記憶を塗り替える最高の山頂景色。

動画を撮って記録に留める。


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そして、再び味わうことの出来た北穂小屋のコーヒー。

この世で一番美味しいと思うコーヒー。

キレットを眺めながら飲むことが出来るなんて、どれだけ幸せ者だろう!
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デッキからは立山剱も見ることが出来た。

リーズナブルで本格的な山小屋のランチを食べたかったが、ここまで辿り着けたらご褒美に食べよう、と思っているものが涸沢小屋にあったので、余った菓子パンで我慢する。

ここでも外来充電を受け入れて下さったのでありがたく使わせていただく。(有料)
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充電中の30分は絶景を堪能していたらあっという間だった。

下山したくない気持ちをなんとか振り切り、

荷物搬送のヘリが来る前に小屋をあとにする。

ここから涸沢のテント場までは3年前に通ったしずっと下りだから体力的には心配ないだろう、と達成感に満ち溢れながら下山する。
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しかし今度はなかなかテント場が近づかない(笑)

ガレガレの岩場は○印を探しながら慎重に進むも、油断すると足をくじきそう。
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ここでケガをしたら元も子もない、と今一度気持ちを震い立たせ、13時25分南陵の取付きにやっと到着。

「ハシゴ、なくなったんだっけ?」と思うくらいここまで長かった。
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南陵取付きから下は緩やかだったような…と思ったらこれも記憶違い。

30メートルくらいないか?と思うほどの足場もない滑らかな岩場を降下する。

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そしてまだまだガレ場は続くのだ。
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そろそろ膝が笑って来たな、と思った14時38分
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涸沢小屋に無事下山完了。

今回の達成感は本当に口では言い表せないほどだった。
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この勢いでご褒美の「ジョッキパフェ下さい!」

と注文したところ、

 

「8月で終わったんですー💦」とのこと⤵︎

笑うしかないね😭

 

それでは、と生ビールで乾杯。
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すでに日影になってしまったテント場を見下ろし、ストレッチなどしながらゆっくり心と体を解放した。
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続く→