モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2018.12.16弘法山~念仏山

今年も残すところあとわずか。
たくさんの山歩きが出来たことを感謝しつつ振り返っていると、
なんと今年一度も登っていない山に気がついた。

それは塔ノ岳。


これは行かないと!と思い早起きしておにぎりを3つ握り始発電車で小田急線秦野駅に向かう。

しかし。

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歩きたかった表尾根はどんより雲の中。
天気予報も下り坂。
単独だし、わざわざ寒くて辛い思いをすることもあるまい、と思って、秦野駅から歩いて行ける弘法山ハイキングコースに行き先を変更した。

この山だって訪れるのは約3年ぶり。
時間の経つのは本当に目が回るほど早い。

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見慣れたイトーヨーカドーがとっくになくなっていたり、
道端の水槽に氷が張っていたり、
遠くの町の早朝散歩は新鮮で楽しい。

看板も綺麗に手入れされていて、この山の人気の高さを感じる。

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7時50分登山開始。
ここは私が山歩きを始めて2番目に登った山。
その後も子どもを連れてママ友と来たことや、お花見登山の予定が一分咲きだったことなど、過去に歩いた思い出が蘇る。


あっという間に浅間山到達。
誰もいない。

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さらに歩を進めて
8時15分展望台のある権現山にたどり着く。

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ここでとりあえずおにぎりを一つ頂くことにする。


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総じて海の方角は見通しが良く、山側は相変わらず低い雲に覆われたまま。

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温かいスープもすぐにぬるくなってしまう今日のコンディションでは、
もし塔ノ岳を目指して表尾根を歩いていたらどうなっていただろう。


まだ8時を過ぎたばかり。随分と得をしたような気持ちで先へ進む。

歩きやすいハイキングコースを緩やかに進み、8時時40分弘法山に到着。

綺麗に整えられ、穏やかな気持ちでお社に手を合わせる。

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さて。
ここの先どうするか。
ゴールの鶴巻温泉駅にある弘法の湯でのんびりするか?
それにしても、もう少し歩きたい。


私は地図を取り出して確認した。

以前、ここから大山に向けて歩いたことがある。
確か4月の終わりだったか、散り残った野生の桜を見ながら、鹿のフンがたくさん落ちている道を登った記憶がある。

しかし、今日は弘法山から約10キロ先の大山までは登る気力がない。
私は、その途中にある念仏山まで行くことにした。

弘法山から善波峠の分岐まで下り、そこから約30分。久しぶりに歩いてみよう。

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9時15分、たどり着いた善波峠は、突然時代劇の中に迷い込んだかのような、山を切り開いた峠である。
古いお地蔵さまも残り、神妙な気持ちになる。

廃墟のような家の横道をグンと登り、山の中へと進んでいく。


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誰とも会わず、少し不安になるが、サクサクと踏みしめる枯葉の音が心地よい。

記憶になかったが、
鹿除けの柵を越えて、

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やや角度のついた山道を登ると、

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9時40分、念仏山到着。
立派な道標とベンチが置かれ、そこからは

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天気が良ければきっと大きな富士山に出会えるのだろう、という素晴らしい景色が広がっていた。

ここでまた私は、握って来たおにぎりを食す。

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ここまで誰にも会わなかったのに、
腰をおろして足をプラプラしていると、
ランナーの方や、大山方面から来た方などが次々と現れ小休止していた。

時刻はまだ10時前。
なんとかまだ雨に降られていないこのコースはこれから人が増えそうだ。


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休憩を終えて来た道を戻る。

裏山といった風情の低山だか、歩いていると雑木林の先に広がる景色はジオラマのようで、
いつまでも眺めていられそうだった。
山歩きに高さは関係ないな、と改めて思う。

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善波峠まで戻り、この先吾妻山まで緩やかで広い山道に身を任せて行く。
道の両端が深く掘り返されているのは、動物の仕業だろうか。

午前10時を過ぎ、すれ違うハイカーの数が増えていく。
このまま雨が降らないといいですねぇ。

私は、順調に歩を進めて、10時50分、山道を下りて小田急鶴巻温泉駅に到着した。



あまりにも早かったので、温泉よりも自宅に帰ることを選び、
午後1時前に家族に驚かれたのであった(笑)