期せずして2週続けて富士山周辺のお山へ。
ドライブに出かけたい夫と、山に登りたい私の意見が一致したのは、東名道裾野インターからほど近い愛鷹山エリア。
私たちは最高峰を踏破すべく愛鷹山神社(通称山神社)から黒岳→越前岳(最高峰)→呼子岳を縦走する周回コースに挑戦。
コースタイムは約6時間。
今回も夜の明けないうちから高速に乗り、
朝6時45分、山神社駐車場を出発。
小さな祠で手を合わせ、そこから薄暗い杉林の中の苔のむした石階段を登って行く。
高度が上がると登山道が朝日に照らされ、キラキラと輝きだす。
緩やかに標高を上げながらたどり着いたのは、無人の避難小屋“愛鷹山荘。
入口の門扉は、鎖でぐるぐる…と思いきや、ちゃんと外せます(笑)
清掃も行き届いていて明るく清潔な避難小屋のように感じました。
テン場もありました。
ここから黒岳と越前岳を結ぶ稜線(富士見峠)へは5分ほどで到着。
最初は右折して黒岳を目指す。
標高差100メートルほどを登る。
黒岳の手前にある展望広場からは縁取りのような富士山を拝める。
そしてここには裾野市が指定した記念樹の天然杉が立派に残っている。
ここから黒岳山頂までは5分ほど。
迷いそうな雑木林を登りきると、
ベンチがある広場、そして振り返れば
ジャーン!富士山!
スタートして約1時間、黒岳登頂。
広場のベンチとテーブルは富士山に向かい合うような形で設置されている。
やや雲がかかってしまったフォルムであるが、
相変わらず美しいそのお姿…。
ひとしきり写真を楽しみ、富士見峠までの道を戻る。
そしてここから越前岳まで400メートル以上の標高をゆるやかに上げていく。
元々の登山道は深くえぐれてしまい歩きにくく、私たちは横に付けられた踏み跡を辿っていく。
深くえぐれた土にはびっしり霜柱。
そして左手には反対側の山々の稜線が。
明るいけれど同じような風景の中登ること約30分。
【危険】という道標が。
どうやらここは山が崩れてしまっている模様。
自分の体重でまた足元が崩れてしまわないように早々に通り過ぎる。
えぐれた道を避けながら変わらない道を登ってさらに30分。
富士見台に到着。
ここは昭和13年に発行された五十銭札の富士山が撮影されたところ。
残念ながら撮影台は倒れてしまっていた。
ここで軽く休憩をし、
最後越前岳までひと頑張り。
くねくねと山頂付近を行くと、
富士山とは反対側に
富士見岳からちょうど1時間30分、越前岳山頂広場に到着。
目の前には駿河湾の絶景。
1500メートルの高さからだとさすがに高度感がある。
富士山の方へ目を向けると少しだけ南アルプスの白帽子が見えた。
ここで補給休憩を取る。
日差しは暖かかったが、空気は冷たく、しばらくすると指先がかじかんできた。
この越前岳へは、十里木高原という別荘地からも直接登って来ることが出来、私たちの後にも続々と単独のベテランハイカーが登って来て、絶景を堪能していた。
おにぎりを平らげ、15分ほどの休憩を終えて私たちは呼子岳に向け下山を始めた。
地図を見ると、この山頂直下の等高線が詰まっていて、かなりの急斜面であることがうかがえた。
そしてそのとおり…。
写真では伝わらないが、かなりの急斜面の細いやせ尾根をスリル満点で下った。
そしてまたもや急斜面を登り返すと
小さな呼子岳山頂到着、10時40分。
振り返ると越前岳と富士山のツーショット。
下って来ると越前岳の大きさがよくわかる。
以前はここから位牌岳方面に向けて縦走することが出来たそうだが、今は山崩れなどによりそのルートは廃道となってしまったようだ。
(2013年版山と高原地図には破線で注意書き)
そして次なる目的地割石峠に向けてまたもや急斜面を慎重に下っていく。
その名の通り、割れた石の峠に到着、ここからは鋸岳や蓬莱山へ登る道と、愛鷹山登山口(山神社駐車場)への分かれ道となっている。
ゴールへ向けて、さああとは下るのみ…と思いきや!
この枯れた沢の道が非常に歩き辛い。
インナーマッスルを意識しながら変わらない岩だらけの道を下っていく。
思い通りに歩けないもどかしさを感じながら、途中小さなケルンたちに導かれ、明るい沢沿いの道を進んだ。
気がつくと枯れた沢には澄んだ水が豊かに流れ始めていて、
割石峠から歩くこと1時間20分、林道に出た。
このあたり、なんとなく八ヶ岳の美濃戸からの道に似ている気がする。
林道はやがて沢に突き当たり、渡渉して山神社駐車場へたどり着くことになっている。
しかし!
この沢が、フツーに川になっていて、橋もなく、
とても渡れるような流れではなかったのである。
靴を脱いで歩くか?とまで悩んだが、10メートルほど上流に戻り、渡れそうな岩岩を見つけ、なんとか渡渉出来た。
ワイルドだぜぇ!
あとは山神社へ続く林道を10分ほど歩けば駐車場到着。
時刻は12時半を回っていた。
富士山や駿河湾の絶景、やせ尾根のスリル、岩流れの下山道、とバラエティに富んだ盛りだくさんの山行、お天気にも恵まれ充実していた。