今は懐かしい500円札の富士山で有名なこの山。
冬季には林道が閉鎖されてしまうので、行けるうちに、ということで友人に提案。
ここは3年前に来たことがあって、その時は全然眺望がなく、消化不良気味だったのでリベンジ。
このところの高速道路と山の混雑具合はハンパない。
この日も登山口の大峠は車が溢れていた。
私たちも申し訳ないけれど路駐。
支度を整えて7時20分歩き始める。
ピンと張り詰めた空気は指先が痛くなるほど。
しかし、なだらかな斜面はすぐに体を温めてくれた。
紅葉にはまだ早かったようで、緑の葉から透ける朝日が明るい。
少しずつ高度を上げ、振り返るとこんな美しい富士山。
今年初の霜柱。
山頂直下には鎖場もあって、そこを抜けると
8時30分到着。
今日はこれ以上ないほどの景色だ。
途中、この時間には意外なほど下山者とすれ違ったが、皆さんこちらが目的だったようで。
素敵な富士山が撮れたのではないだろうか。
ここから、縦走するコースもあるが、私たちは実はもう一つ登る予定にしていたので、早々に下山する。
立派な霜柱だ。
これから登るのは、登山口大峠を挟んで反対側の黒岳。
前回来た時、雁ヶ腹摺山からちょうどお向かいに見えた稜線が、なんとも魅力的で、ずっと気になっていたのだった。
登山口近くの水場にてお土産のお水を汲む。
それを車に置いて、黒岳へ向けて9時25分出発。
登山口には人数計。
こちらはずっとこの緑の明るいシャワーの中、斜面を登っていく感じ。
赤岩の丸、という小さなピークまでの斜面がなかなか大変だった。
黒岳はまだまだ先。
ピークに出たかな、と思ったら、そこはまるで湖の底のような、幹だけ残ったトゲトゲしたところだった。
北八ヶ岳のような美しい苔の森をひと登りして11時10分黒岳到着。
何人か休憩していたが、樹木に囲まれ眺望はない。
ここまで100分ばかりかかっていたが、私が雁ヶ腹摺山から見た稜線はこの先らしく、
“日本の森百選”に選ばれた明るい草原を気持ちよく進むと
いきなりこんなに開けて…
11時30分白谷ノ丸到着。
ここまでずっと森の中だったから、この眺望には歓喜の声が溢れてしまった。
この山は山と高原地図には載っていないので知っている人は少ないと思う。
しかし、いきなりお気に入りの山トップ5入り!
雁ヶ腹摺山はこんな感じ。
本当はこの開けた稜線をさらに進んでハマイバ丸、大蔵高丸へと向かう予定だったが、
もうこの景色で私は大満足してしまい、
ここでランチを取り折り返すことに。
少し先の出っぱった小白谷ノ丸までいき、休憩。
贅沢だー!
日差しも温かく、ずっとここに居たい、と思う場所だった。
その気持ちをグッと押さえて、帰りの中央道に思いを馳せる。
ここでゆっくり休憩したので、帰りはお風呂を省略し、素直に帰ろうということに。
来た道を下り、13時45分登山口到着。
自家用車が無いとアクセスが難しいエリアではあるが、素晴らしい山に出会えて幸せな日だった。