モモジリの旅

一回一回が大切な思い出

2023.11.8鍋割山

今年は紅葉🍁登山を楽しもうと思い、平日の休みを利用して車で丹沢方面へ。

今回の登山はこのスタートから波乱万丈だった。

 

登山を始めた頃何度も登った思い出深い山であったが、一番近い登山口だと思っていた表丹沢県民の森駐車場から登るのは久しぶり。

新東名も出来て、ここ数年で東丹沢の交通アクセスはかなり変わったと思う。

6年くらいぶり?に“三廻部病院”にナビをセットして、早朝の東名高速を走る。

 

順調に朝7時過ぎには三廻部林道に入り、“この時間なら駐車場も空いていそうだな”とぐんぐん進んでいると…

何と林道通行止め!

後から調べたところによると、林道法面の舗装が崩れているところがあり危険ということだった。

 

ガーン😨‼️

通行止めのガードが置かれているところに、乗用車が2台停まっていた。

まずここはどこなのかスマホで確認する。

この場所からの登山の軌跡もあったが、県民の森駐車場まで歩いて1時間ほどありそう。

 

どうしよう?

大倉まで出直す?

んー。

あ、もう一箇所入れる登山口があったな。

 

『寄』やどろぎ。

そちら方面に出直してみることに。

ナビを頼りにバスの終着点まで行くことが出来た。

ここから山に入ることが出来るのだったが、舗装のキレイな車道はまだ先へ続いていた。

私は車であることをいいことに、歩く時間を短縮するため(笑)、その先へ進んでみた。

すると、この道は水源の森として管理されたエリアに通じていて、そこに駐車スペースがあるらしい。

寄からスタートするコースより山頂に近く、イメージとして後沢乗越の左側の斜面に向かう感じで寄大橋駐車場を目指した。

 

舗装されていない広い路肩の駐車スペースは3台車が停められていて、私も余裕で駐車出来た。

登る支度をしている男性もいて、話しかけられた。

 

「どこ行くの?」

「鍋割山の予定で、表丹沢県民の森を目指したら、通行止めになっていて…」

「そうなんだよ、今年の夏の前ころから行けなくなったんだ。鍋割山?あー、後沢乗越ね。」

「はい、そこからなら何度も登ったことがあるので…」

「じゃ、そこまで一緒に登ってあげましょう。」

 

私は、歩きなれた山とはいえ、いまだに道迷いや滑落の事故が絶えない丹沢エリアに予習せず入ることをかなり恐れていたので、この男性について行くことを選んだ。

 

7時50分歩き始める。

寄大橋から舗装路は続いていたが、管理森林に入るところにはゲートがあった。

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森林エリアは遊歩道が設置され、事務所やお手洗いもあり、レクリエーション施設のようだった。

約15分ほど歩くと男性は『作業路』と書かれた入口に入って行く。

自分のスマホで確認し、ここから登山道が始まっていたので、私も後に続く。
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入口こそ藪漕ぎだったが、少し進むと道はキレイに整備されて歩きやすかった。

鹿避けゲートをくぐり、沢沿いの道を進んでいく。
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帰りは私1人なので、道を間違えないよう、写真も多めに。
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沢沿いの道は、作業員が利用するからか、しっかりとした階段や橋が設置されていた。


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約30分歩き、渡渉箇所の2つ目が斜面への分岐点。

ここが登りの時は迷いやすいところだと男性は言っていた。

そして後沢乗越へ向けての斜面に取りつく。

ここはツヅラに斜面が切られていて歩きやすかったが、眺望もなく、何度も歩いているという男性はつまらない、と言っていた。

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約30分で斜面が終わりピークになったところに到着。
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後沢乗越はここからわずがだった。
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9時05分、見覚えのある交差点に辿り着き、ホッと一安心。

ここまでいろいろな話をしてくれながら道案内をしてくれた男性も、ここからはそれぞれで、と言い残して山頂へ歩いて行った。

こういった時、同行することに賛否はあろうが、今回は非常に助かった。感謝しかない。
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さて。

ここでドリンク休憩を少しとり、私も山頂へ向けて歩き始めた。
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鍋割山は意外と斜面続きでキツい記憶がある。

目印になる黄色い看板を数えながら斜面と向き合った。
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おそらく標高1000メートルあたり、周りがガスに包まれる。

おかしいな、今日はいい天気の予報だったのに⤵︎

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どこまでも続く斜面。
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黄色い看板の番号がNo.10になったら山頂はすぐ…と思ったが、そこから10分は歩いた(笑)
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期待していた紅葉🍁は、前日の低気圧通過の強風でかなり落ちてしまったようだが、落ち葉がまだ瑞々しく色鮮やかだったのは嬉しい誤算。
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10時12分山頂到着。

名物の鍋焼きうどんは11時からの提供だということだったので、今日はおにぎりを持参した。

そして温かい味噌汁でも…と思って用意した熱湯入り水筒を、家に忘れて来る体たらく⤵︎
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20分ほど休憩し、10時35分、下山を開始する。

少しガスが取れてきたようだ。
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今度はずーっと下り。

早々とストックをしまい、足元に気をつけながら降りて行く。

すると、登りではガスに包まれていた紅葉が、こんなにキラキラと光っていた🍁✨

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約40分で後沢乗越到着。

わかりにくい分岐をクリアして、管理森林エリアに向けて進む。

ちなみに道標は無い。


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登る時は緊張していたため感じなかったが、やはり結構退屈なツヅラの斜面。
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音はすれどなかなか近づいてこない沢がやっと見えて、あとは沢沿いに下っていけばよい。
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ガッチリ作られた階段や橋は、歩くには安心するが、景観が…⤵︎

これは意見が分かれるところだろう。
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しかし、お陰で安全な登山をすることが出来たのはいうまでも無い。
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無事迷うこともなく管理されたエリアに戻ることが出来た。
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12時26分駐車場到着。

車が増えていた。

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表丹沢県民の森からのルートより短時間で山頂まで行ける登山口に出会い、また鍋割山が近くなったように思った。

 

 

おまけ。

せっかく車で来たので、いつも行けない【秦野名水富士見の湯】というところでお風呂を頂こうと思ったが、辿り着いてみるとなんと月一回の休館日💦

結局鶴巻温泉の【弘法の里湯】まで行って汗を流した。

最初から最後まで思い通りにいかない一日だった…(笑)

 

 

 

2023.10.28櫛形山

アルプスの短い夏が終わり、近郊低山の季節がやって来たかと思うと、テン泊納めをどこにしようか焦りだす。

先日の荒船山は、キャンプが寒すぎ、翌日も雨に降られて不完全燃焼に終わってしまった。

誰ともなく「来週土日暇だけど?」と声が上がり、いつもの4人で向かったのはこちら。

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中央道甲府南インターから富士川方面へ車を走らせる。

目の前にどーんと構えるのが櫛形山だ。

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今回は櫛形山のふもとのキャンプ場に泊まる予定なので、一番標高の高い池の茶屋登山口を目指して山道を進んだ。

渋滞にはまり、到着したのが10時30分。

もう下山した人がいるようで駐車場には空きがあった。

 

10時45分、登山スタート。

鹿よけのゲートを開いて山の中へ。

 

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割とすぐに尾根に出る。

しかし尾根はそこからまだ先へ。
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途中、南アルプスの山並みを展望出来るベンチがあった。

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長い斜面をクリアすると山頂は台地になっていて、秋の彩りに溢れた森を堪能出来た。
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まず最初に現れる三角点に11時20分ころ到着。

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さらに森を辿って行くと
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11時35分、山頂到着。

樹林帯で眺望はなかったが、ファミリーがひと組休憩していた。ここで折り返す予定だったが、

評判の良いテント場があるとのことだったので、

休憩時間を省略してそちらへ向かう。


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またしても豊かな森を歩く。深呼吸して樹々から放たれるエネルギーを全身に取り込む。
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滑りそうな斜面をググッと降りて行くと12時15分ほこら避難小屋に到着。

お手洗いも併設。とても手入れの行き届いた施設だった。
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ほこら小屋のある反対側には広いテント場。

こんな山の中にこんな芝生のキレイな広場があるなんて…とザクザク歩いて行くと、

実は細かな隆起がたくさんあってデコボコし、そのくぼみにシカのフンが溜まっていたりして(苦笑😅)

でもキレイなトイレと水場がある山の中のテント場は魅力的だな、とドキドキ。
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さて、ここから駐車場に向け戻ろうと思い、地図を確認すると、どうやら巻道で帰れるようだったので、そちらを選択。

開けた眺望のところには丁寧に植林されていて、この景色もいつかは見えなくなってしまうのだな、と焼き付ける。


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この巻道は【管理歩道】と名付けられていて、公園のように歩きやすかった。

しかし、あまり歩かれている様子はなかった。

もったいない。
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巻道なのでかなりくねくねしていたが、

南側になればご覧のように紅葉が美しく、みんなで撮影タイム。
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およそ3キロメートルを歩いて駐車場に到着したのは14時を回っていた。
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今日も楽しい山歩きができたことを讃えあい、

富士川方面まで下山しキャンプのための買い出しをする。

 

そして貸切状態のキャンプ場でワイワイ宴を楽しんだのであった。

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2023.10.8荒船山

6月の始めに予定し延期していたキャンプ&登山をやっと実現。

行き先は船のようなシルエットが特徴的なこちら。

 

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上信越道下仁田インターで降り、45分ほど。

いくつか登山ルートがあるようだが、今回は駐車場の台数も15台ほど停められる内山峠登山口で仲間と待ち合わせ、8時40分スタート。
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しばらくは山肌を撫でるような道を行く。
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時々現れる高低差。
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久しぶりに一緒に登るメンバーだったので、それぞれのこの夏の登山の話を口々にしながら、樹林に囲まれた山道を進んでいく。

今日は日差しも少なく、空気がひんやりとする。

 

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この山のシルエットを彷彿とさせるような岩場が時々現れる。
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今日の行程は意外にも長く、距離およそ9キロメートル.時間にすると約5時間ほどかかるかな、と思っていたが、

予想より早く9時23分修験道場跡に到着。

岩場にありがちな胎内くぐりなどもあったが、先を急ぐため見学のみ。


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さらに20分ほどで唯一の水場、一杯水に到着したが、

水が流れ出ているところが少し険しかったため、補給は見送る。


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ここからだんだんと険しくなっていく。
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ハシゴが設置されているところもあれば、岩自体を階段状に切り出したところも。
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頭の中で、“この急登であの斜面を登っているんだな”と想像しながら、台地になっている山頂にたどり着き、少し歩くと

10時12分展望台となっている鑪岩(ともいわ)に到着。
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空はどんよりとしていたが、正面に浅間山も見え、その眺望の素晴らしさを実感できた。
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この先危険⚠️
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まだ時間は早かったが、眺望を楽しみながら補給休憩を取る。

それぞれおにぎりや菓子パンなどを食べ、まだ先のテッペンを目指す。
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途中、日本書紀の時代の戦場だったことを表す記念碑を見学。
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台地となっているほぼ平らな森の中を約25分ほど歩くと

最後の急登が現れた。

せっかく汗が引いたのに(笑)。

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ワシワシと足元を見ながら斜面と向かい合うこと約10分。

11時20分荒船山(総称)のピークである経塚山山頂に到着。

 

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記念撮影をし、祠に手を合わせてそのまま来た道を下る。

広い台地は幻想的で気持ちよかった。

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鑪岩のところにある避難小屋で腰を下ろして休憩し、駐車場までノンストップで下山する。
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12時50分、駐車場到着。

今日はこのあと荒船山パノラマキャンプフィールドにてキャンプをする予定。

買い物などやることがたくさんあったのでのんびりしてはいられない。

荒船山は街へ出るのが大変なのだ。

 

呑んべえ、ばかり集まったグルキャンを楽しんだが、標高1400メートルという高さからの気温の低さで途中からおこもりキャンプとなり、翌朝は予報通りの雨となってしまった。

でも山に登ってキャンプして、とやりたいことが出来た充実した休日だった。
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2023.10.5-6甲斐駒ケ岳

積年の憧れだった奥穂高岳に登頂し、間もなくアルプスシーズンも終盤。

そんな中、私はもう一つの憧れの一座を目指して山友と休みを合わせていた。

 

天気予報アプリでは登山不適合のCのままだったけれど、とりあえずテン場まで行くか、と決行。

今回は前泊して翌朝未明に登山開始という行程にしたので、仙流荘のバスは最終の14時20分の便にした。

途中、マットを忘れた山友のためにダイソーに寄ったりして、結構ギリギリに到着。

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うとうとしているとバスは北沢峠に到着。

ここにテント泊するのは初めて。

しかもバス停から徒歩10分くらいというので、こんなスタイルで臨んだ。

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長衛小屋のテント場は、木曜日ということと、天気予報の悪さからガラガラだった。

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人気のテント場なので奇跡である。

時折ゴォォォォと強い風が吹きつける中テントを設営し、飲み始めるか…と思ったが、

予想以上に冷え込み、また風も強く、

今日の宴会はテントの中で各自かなぁ⤵︎と思ってテントの中でゴロゴロすることに。

 

ところが、小屋の前に屋根付きの炊事場があり、そのテーブルで飲食が出来るようだったので

食料を持ち込み、そこで宴会をすることができた。

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ビールというよりウイスキーのお湯割が染みる夜を過ごし、翌朝の登山に備えて19時にはそれぞれ就寝した。

 

夜中、テントポールが折れるかと思うほどの風も吹いたが、2時45分に起きた頃には星空も見え、なんとか登山出来そうなコンディションだった。

 

支度を整えて3時15分北沢峠登山口へ向けて歩き始める。

今回は私の希望により、仙水峠ではなく双子山を経由するルートで登ることに。

なぜかというと、仙水峠から駒津峰までの標高差500メートルの急登を登る気力体力が無かったから。

この決断は今でも正解だったと思っている。

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予想より時間がかかり、5時40分双子山登頂。
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白んできた光が照らし出すのは
美しい霧氷だった。
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雲ひとつない空に浮き上がる甲斐駒ヶ岳の勇姿。
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一度緩やかに下ってから駒津峰に向けて強い風が吹きつける斜面を歩いて行く。


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写真では伝わらないが、双子山から先は樹木が低くなり、強い風が体にもろに当たりそれはそれは寒かった。

防風対策で着ていたレインウェアのフードを被り、頭部顔面をガード。

 

「もしここで足とか捻って歩けなくなったら、救助を待つ間に凍死するね。」

とお互い緊張感を保ちながら先へ。

連なる南アルプスの山並みの先に朝日が顔を出した。

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日が登れば少しは温かくなるだろう、と思いながら凍りついた斜面に向かう。

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振り返ると、稜線を境に北側南側とでパックリ分かれた山肌の景色。

自然は不思議だ。

 

途中雷鳥にも出会い、凍りつく手でなんとかシャッターを切った。

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6時36分六合目駒津峰到着。

ここで座って休憩する計画だったが、何せ強風が吹き付け、避ける場所がなかったのでそのまま先へ。

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むき出しになった北側の斜面はすっかり岩も凍りついていた。

その岩の影になる南側のところが少し風を避けられたのでそこで腰を下ろして休むことにする。

夏山のスタイルで登っていた友人も、流石にダウンパンツを履くという。

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口にした水があまりに冷たかったのでのぞいて見ると凍っていた。

 

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写真で見ると雲ひとつない聳える甲斐駒ケ岳山頂だが、それも強風のなせる技。

でも貴公子と言われるだけあってカッコいい姿だ。

 

 

途中急な鎖場を下り、
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7時32分八合目到着。
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この先に、岩場直登コースと巻道との分岐点がある。

迷わずに巻道を選択。

地図によっては直登コースは波線になっているようだ。

自分の実力に見合った方を選びたいものだ。
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さあ、いよいよ花崗岩があらわになった山頂へ向けてラストスパート。

登山道は日の当たる南側斜面になったが、標高が高くなっているのでそんなに温かく感じなかった。
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写真で見ると本当にいい天気。

しかし実際は、気を抜くと強い風にあおられて滑落の危険がつきまとう斜面だった。
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山頂へ向けてのビクトリーロード。
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8時35分山頂到着!

それにしても強すぎる風だ。

先日登った白山も相当なものだったが

それをしのぐほど。

この巨漢の私が踏ん張らないと立っていられない。

まさに“てんくらC”だ。
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強風に抗いながらなんとか360度の景色を目に焼き付け、下山を開始する。

山頂滞在時間約10分(笑)
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登りでは余裕がなかったが

改めて六万石(ろっぽうせき)の大きさに驚く。
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振り返ると山頂はこんな感じ。
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いくつか現れる険しい鎖場を慎重に乗り越え
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10時02分駒津峰までなんとか下りて来ることが出来た。
ここから、標高差約500メートルの斜面を下って仙水峠を目指す。

すると、すれ違う登山者から必ず尋ねられた。

 

「どこまで行ったんですか?」

 

この強風で山頂まで行けるのか知りたいらしい。

私たちは正直に山頂の風の強さと気温の低さを伝え、装備が揃っていないなら行かない方がいい、と話した。

実際この日、栃木の那須連山朝日岳で遭難事故が発生している。

私たちも紙一重だったのだ。
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風を避けられそうな斜面の途中で腰を下ろしてお昼ご飯休憩を取った。

カップラーメンの温かさが身に沁みた。
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11時26分仙水峠到着。

ここからは緩やかになるはず。


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しかしゴロゴロした岩場は結構続き、
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思っていたよりゴール地点のテント場まで長く感じた。
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11時56分仙水小屋を通過。


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私たちは13時10分の北沢峠発のバスに乗ろう!と気持ちを一つにして沢沿いの道を早足で歩いた。

 

12時35分ゴール。

急いで長衛小屋で山バッヂを買い、お手洗いを済ませてテントを撤収する。

2人とも無言(笑)
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バス停までの10分がとてつもなく長くキツく感じた(笑)が、なんとかバスに間に合った。

金曜日の北沢峠は多くの登山者で賑わっていた。

次はテント泊でのんびり栗沢山に登ってみたいな、と思いながら帰路についたのであった。

 

 

2023.9.28-30涸沢テント泊奥穂北穂縦走④

奥穂北穂の岩稜帯縦走を無事に歩ききり、下山した涸沢小屋にて生ビールで祝杯をあげる。

 

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今シーズンも何人かの命が散ったこの山域に単独で挑む無謀さを否定せずに見守ってくれた親しい人達に感謝しかない。

見上げる稜線が、歩く前と今とで違って見えた。

 

心地よい疲労に包まれ、ここでも外来充電を受けていただき、お願いする。

 

 

ビールを飲み干し、缶ビールをテイクアウトしてテント場に戻る。

時刻は15時を過ぎていた。

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昨日とはうって変わって金曜日の今日は山日和ということもあり続々と登山者が登って来て賑やかだった。

 

テントの中で横になる。珍しく太ももの裏が攣りそうになるのを感じる。

今夜はパーティーだな、なんて思いながらウトウト。

しかし空腹と疲労のため眠れずに1時間ほどたち、私は早く宴会を始めることにした。

 

預けたスマホを引き取りに行くついでに、小屋の人気メニューモツ煮をコッヘルにテイクアウト。

なんと、スマホのバッテリーは96パーセントまで回復することができ、もう心配せずに使うことができそうだった。

涸沢小屋さんには感謝しかない。

ありがとうございましたm(_ _)m

 

 

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そして山で初めて炊飯をした。

しっかり水に浸したからか、ちゃんと美味しそうに炊き上がった。
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憧れの稜線を見上げながらモツ煮定食で宴会。

1人だけどね。

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空腹とモツ煮の美味しさに、一合炊いたご飯が無くなりそう(笑)だったが、明日の朝ごはんの分を残してウイスキーでちびちび。
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ほどよく酔いが回り、とりあえず横になるか、と思ったらそのままトイレにも起きず朝まで爆睡だった。

 

 

 

翌朝。

モルゲンロートを狙うカメラマンたちの声で目が覚める。

うっすらと明るくなって来たようだ。

モルゲンロートが始まる前に、と焦ってトイレに行く。

東の空が明るくなって来た。
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5時45分頃ショーが始まった。

昨日の今頃はあの辺にいたんだな、と少し窪んだ穂高岳山荘の下あたりに目を凝らす。
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存分に堪能したあと朝ごはん。

昨日の残りのご飯にキムチとスープの素、そしてスライスチーズでキムチーズリゾット。

温かいご飯で体を目覚めさせていく。

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今日は上高地まで下山。

お風呂をどこで入ろうか考えながら、今日は3年前のように日帰り入浴の出来る場所が限られていないので余裕を持って下山できるな、と思っていた。

朝7時過ぎ、下山を開始する。

 

涸沢の紅葉はもう一息、というところだったが、

ご覧のように赤く染まった樹木もあり、なかなか印象的な写真を撮ることが出来た。
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朝7時半だというのに、登ってくる登山者の多いこと。

横尾とか徳澤で前泊したのかな?

譲り合いながら涸沢カールを下って行くが、2日前うねるように流れていた沢の水がすっかり枯れている。

驚いた。
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下りとはいえ、やはりテン泊装備は重く体にのしかかる。

ゆっくりゆっくり歩いてケガをしないように気をつける。

補充されたおかげで、音楽を聴きながら歩くことができたのも嬉しかった。


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朝9時本谷橋到着。

この辺りに来ると、下山する人より登ってくる人の方が多い感じだった。

休憩する場所もなかったのでそのまま横尾へ向け歩き続ける。
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9時55分横尾到着。

小屋の前はたくさんの人で賑わっていた。

木陰のベンチで残った行動食を食べ休憩。
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11時20分徳澤到着。

下山のお楽しみを頬張る。

あんなところにもベンチあるのかー、と目印になるくらいたくさんの人が休憩し、レストランでは並んで待っていた。
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エネルギーを蓄え、このまま上高地まで歩く。

午後1時30分河童橋到着。

若干薄暗くなってきたが、土曜の上高地は観光客でとても混雑していた。
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さて、15時発の高速バスまでにお風呂に入りたい。

しかし小梨平キャンプ場の外来入浴は14時からだった。

キャンプ場で30分待つのも憚られる。(熊も出没しているらしいし)

思ったより時間も体力も余裕が無かったので、上高地バスターミナルのインフォメーションセンターにあるシャワールームを利用しようと思い、ザックをおろして調べてみると、

なんと休止中⤵︎

 

そうこうしているうちにどんどん時間が過ぎていき、結局この時間に入れるお風呂ということで一番遠い上高地温泉ホテルまで歩くことにした。

(徒歩約20分)

バスが出発する10分前には戻って来ることを考えると、なんと入浴時間は15分しか取れなかったが(笑)、温かい温泉に体を浸からせ、新しい衣類に着替えたらとても気持ちよく、帰りの車内も快適に過ごすことが出来たのであった。

 

 


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ここに入るなら、帰りのバスの乗車バス停は【帝国ホテル前】にした方が近い、ということと、

 

小梨平キャンプ場のお風呂の方が全然近かった、ということを次回への参考事項とさせていただき、

長いレポートを終えることにする。

 

2023.9.28-30涸沢テント泊奥穂北穂縦走③

奥穂高岳に無事登頂し、穂高岳山荘で少しバッテリーを回復させた後、その先のことは登ってみて考えよう、と涸沢岳へ。

涸沢岳から北穂高岳への入口は確かに垂直降下のようだったけれど、上からのぞいて足場も見えたし鎖などもしっかりあり、何より8時35分という時間とこの最高のお天気に後押しされ、私は北穂高岳までの縦走を決めた。

 

ちょうど1人が降りられるようなくぼみの中を慎重に進む。

確かに急な斜面はテン場まで続く長い長い滑り台のようだったが、不思議と恐怖感はなかった。

 

(ここからの写真は岩稜帯ばかりなのでいろいろ伝わらないかもしれない)

 

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足場の落ち着いたところまで降りて振り返る。

結構な斜面だ。
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さらに下って行く。
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急峻な岩稜に巻かれた鎖を頼りに、カニの横ばいのような道がしばらく続く。
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足場のしっかりしたところで深呼吸。

きわどそうに見えるが鎖もちゃんとある。
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そして振り返る。

逆のルートで、最後に涸沢岳までのこのビジュアルを見るとメンタルやられそう(笑)
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ちょうど1時間ほど歩いたので休憩を入れる。

奥穂北穂間のコースタイムは3時間ほどだったので、

私は途中必ず2回は休むことを決めていた。

アドレナリンが出ていて体と気持ちの疲れをキャッチできないと思ったからだ。

 

やっと日が当たり始めたテント場を見下ろしなから食べるレモンの砂糖漬けの痺れる美味さ!
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ヘルメットを外し頭にクールな風を入れ込む。

さて。10分ほど休んで先へ。

狭い岩の塊を風に煽られながら越えたところでさっきの所にサングラスを置き忘れたことに気づいた。

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この鈴があるところにザックを置いてサングラスを取りに戻って少しロス。

最低のコルはそこからすぐだった。


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北穂高岳はすぐそこに見えるのに、なかなか近づかない。
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アップダウンを繰り返しながら大きな山肌に取り付いていると【奥壁バンド】というところに到着。

西側の斜面で確かに急峻な斜面が切れ落ちている。

事故も多い区間なので慎重に3点支持で歩く。

ここは鎖がないので緊張した。

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下ったかと思ったら垂直に登らされる鎖場。
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ドキドキする岩場を越えるたび大きくなる北穂高岳
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急な斜面のアップダウンをもう一度クリアし、
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テント場を見下ろせるステージのような岩場を発見して休憩。

時刻は10時50分になっていた。
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あと少し、という思いと、離れたくない思いが交錯する。

とにかくこのお天気が最高だったのだ。

この辺りで5組の登山者と遭遇。

3人は後ろから来て、

2組は北穂から。

この天気を讃えお互いの無事を祈りながらすれ違った。


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さらに山肌をよじ登っては下って、を繰り返して

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涸沢カールからの登山口との合流地点に到着。
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山頂はすぐ!
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11時36分北穂高岳到着。

3年前のガスガスな山頂の記憶を塗り替える最高の山頂景色。

動画を撮って記録に留める。


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そして、再び味わうことの出来た北穂小屋のコーヒー。

この世で一番美味しいと思うコーヒー。

キレットを眺めながら飲むことが出来るなんて、どれだけ幸せ者だろう!
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デッキからは立山剱も見ることが出来た。

リーズナブルで本格的な山小屋のランチを食べたかったが、ここまで辿り着けたらご褒美に食べよう、と思っているものが涸沢小屋にあったので、余った菓子パンで我慢する。

ここでも外来充電を受け入れて下さったのでありがたく使わせていただく。(有料)
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充電中の30分は絶景を堪能していたらあっという間だった。

下山したくない気持ちをなんとか振り切り、

荷物搬送のヘリが来る前に小屋をあとにする。

ここから涸沢のテント場までは3年前に通ったしずっと下りだから体力的には心配ないだろう、と達成感に満ち溢れながら下山する。
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しかし今度はなかなかテント場が近づかない(笑)

ガレガレの岩場は○印を探しながら慎重に進むも、油断すると足をくじきそう。
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ここでケガをしたら元も子もない、と今一度気持ちを震い立たせ、13時25分南陵の取付きにやっと到着。

「ハシゴ、なくなったんだっけ?」と思うくらいここまで長かった。
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南陵取付きから下は緩やかだったような…と思ったらこれも記憶違い。

30メートルくらいないか?と思うほどの足場もない滑らかな岩場を降下する。

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そしてまだまだガレ場は続くのだ。
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そろそろ膝が笑って来たな、と思った14時38分
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涸沢小屋に無事下山完了。

今回の達成感は本当に口では言い表せないほどだった。
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この勢いでご褒美の「ジョッキパフェ下さい!」

と注文したところ、

 

「8月で終わったんですー💦」とのこと⤵︎

笑うしかないね😭

 

それでは、と生ビールで乾杯。
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すでに日影になってしまったテント場を見下ろし、ストレッチなどしながらゆっくり心と体を解放した。
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続く→


2023.9.28-30涸沢テント泊奥穂北穂縦走②

前日はテント場に着いてからスマホの電源を切ってバッテリーの温存に務め、就寝時にアラームセットのためオンにした。

 

翌朝も75パーセントの容量で2時45分のアラームが鳴った。

 

今日がこの遠征登山のハイライト。

ザイテングラートを登って奥穂高岳へ。

ありがたいことにたくさんの動画で予習することができ、あとは実際の高度感と恐怖心に打ち勝てるか。

 

まずは涸沢小屋横から始まる樹林帯を、暗いうちに通過したい。

3時30分スタート。

 

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自分のテントからはパノラマルートが近かったが、何せこの暗さ。

途中、樹林もなくなり、ガレた岩がごろごろ広がるところでは危うくルートを逸するところだった。
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約1時間歩き、ザイテンの取り付きに到着。

テント場から見上げているとそんなに時間がかかるようには思わないのだけれど、やはりスケールが違う。

ここでストックをしまい、エナジージェルを投入。

そしていよいよザイテングラートへ。

思ったほど寒くない。

しかし今シーズンも滑落事故が起きている。

慎重に進まねば。

 

憧れの稜線上にある穂高山荘に向けてほぼ直登というこの岩場。


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足場が不安なところは躊躇せず両手を使う。

でも親切に鎖やハシゴが設置され、難しいと感じる箇所は無いまま、
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5時37分、夜が明けた。

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どうやらモルゲンロートはこの辺りで迎えることになりそうだ。

…とセルフタイマーで何枚か挑戦するが(笑)


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5時50分穂高岳山荘到着。

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小屋の前のベンチで荷物を下ろして少し休憩。

無事にザイテングラートをクリア出来て嬉しかった。

奥穂高岳はさらにここから急な岩場をよじ登って約1時間ほど先。

朝日に照らされ、温まってきたとはいえ、時折強い風が吹く標高3000メートルラインはじっとしているとどんどん寒くなってくるので、

休憩もソコソコに、先へ進むことにする。

まだ岩稜帯という緊張は続くが

小屋からの最初の鎖場の急登をクリアすればあとは問題ない(らしい)

ほぼ垂直の鎖場で山頂でご来光を見た人たちが下山してくるのをやり過ごす。

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集中して目の前の岩と向き合い、

 

振り返るとすでにこの高度感。
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ハシゴや鎖を伝い上がると、斜面はやや緩やかに。

引き続き歩きやすいツヅラの道を稜線に向かって歩いていく。

おそらく稜線に上がったが、道は西側についており、猛烈な風が吹いている。

私はアウターとして着用していたレインウェアのフードをヘルメットの上から被った。


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視線の先にかの有名なジャンダルムがとても近くに見える。

6時47分山頂到着。

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風は強いが、何という絶景!

過去に何度が通過している山友が見ることの出来ていないこの景色に思わず声が出る。

順番を待って、山頂から360度の動画を撮る。

これは昨日の暴風雨を耐えた者だけに与えられるご褒美だ。

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槍ヶ岳もキレイにくっきり。
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しかし山頂は狭く風も強かったので、10分ほどの滞在で小屋へ下山した。

岩稜帯は下りの方が要注意。

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さっき休んだ同じところで背中に朝日を浴びながら昨日握って来たカチカチのおにぎりを頬張る。

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日差しが当たって暖かいかと思いきや、やはり風が体温を奪って行った。

 

山バッヂを買おうと思い、売店へ。

充電のことも聞いてみると、200円でご自由に、とのこと!

早速つながせてもらい、ホットカルピスを飲みながら30分ほど過ごした。

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62パーセントだった残量はなかなか上がらない。しかしその先のこともあるので68パーセントで切り上げ、丁重にお礼を告げて、小屋をあとにした。

 

とりあえず、奥穂の反対側、涸沢岳のピークを目指す。

鋭角にそびえているが登山道は歩きやすくつけられているので、テント場の先からゆっくりゆっくりと約30分ほどで涸沢岳ピーク到着。


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そこから見た北穂高岳槍ヶ岳

 

ん?

近くね?
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とりあえず最初の恐怖ゾーン、垂直降下の鎖場をのぞいてみる。
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ふむふむ。

確かに角度はあるが、吸い込まれそうな恐怖感は無い。
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まだ8時45分という時間とこの絶好のお天気に後押しされ、私は北穂高岳まで縦走することを決めた。

 


続く→