登山を始めて10周年の今年。
北岳、薬師岳、会津駒ヶ岳、と憧れていた山々の頂に立つことが出来、私は興奮していた。
“今なら行けるんじゃ?”
そう思って友人に声をかけたのはここに行くため。
北岳もそうだったが、身近な山仲間が踏破してるのに、自分だけ行けて無い、ということが私には長らくコンプレックスだった。
そこで、「何回でも登りたい」とこの山の魅力に取り憑かれた山友と2人、夜中にかっ飛ばして扇沢に向かった。
朝4時過ぎに辿り着き、仮眠。
そして7時に開く窓口に間に合うように起きて支度をする。
天気予報が微妙なせいか無料駐車場もまだまだ枠は空いていた。
行列で有名なアルペンルート切符売り場にも数えるほどしか人は並んでいない。
クレジットカードでスムーズに切符を買って、30分の始発をおにぎりを食べながら待つ。
扇沢→[電気バス]黒部ダム(歩いて)黒部湖→[ケーブルカー]黒部平→[ロープウェイ]大観峰→[トロリーバス]室堂
初めてアルペンルートを使う。
何回も乗り降りがあるのでテン泊装備にはキツい、と聞いていたが、
混雑していないせいか、そんなに辛くはなかった。
天気予報はずーっと3日間とも晴れだったのに、直前になって初日が雨マーク。
どうやらそれは当たったようだ。
9時15分、トロリーバスが室堂に着いた。
ターミナルに集まる人々はみんな疲れた表情で濡れたカッパを脱ごうとしていた。
あー。やっぱり降ってるのね。
でも今日はテント場までの行程だから、諦めてカッパ着よう。
立山に来るのは2回目。
「うわー!すごーい!」
という歓声こそ上がらなかったものの、
雄大な室堂の景色は心の中の雨雲を吹き飛ばしてくれた。
石畳で舗装されている遊歩道は、今日のような天気だと滑る。
ケガをしないよう集中して雷鳥平野営場まで高度を下げる。
今回もお世話になりますレモンさま🍋
パラパラと降る雨の中、軽く休憩して、
本日のハイライト、劔御前小屋を目指す。
私たちは別山尾根ルートを直登する方ではなく、少し大日岳の方へ巻く感じのコースを選んだ。
10時30分、テント場から橋を渡って斜面に取り付く。
標高が高いせいか、紅葉が始まっていた。
予想より長く、角度も急な斜面を休み休みしながらなんとか登り切り、
12時30分、御前小屋到着。
こ
雨は強くはなかったが、パラパラと降ったりやんたり。
ここで私は無性にこれが食べたくなり、
友人にお願いして休憩をいただくことに。
つらい山道と向き合ってたどり着いたここで食べるからこそ美味しい(笑)。
このスペースは持ち込み休憩もOKだったので友人も一緒にランチ。
汁まで完飲して体も温まり、あとはテン場まで下るだけ。
雨は上がったが、すっかりガスの中。
40分ほど歩いて13時45分テント場到着。
小屋はここからさらに下った場所にあるため、先に展張する。
日曜日ということもあり、テントも少ない。
トイレと水場の確認をして場所を探す。
場所がありすぎるのも迷いますなぁ(笑)
結果、私はこの大きな岩が目印のところに決めた。
張っている最中にうっすらと見えたのが…
劔さま!
こんなに大きかったとは!
私は初めてだったので感動が止まらない。
ちなみに、テン場の代金とビール購入のため劔澤小屋まで10分ほど坂を下ると、
劔さまはまた雲隠れ。
小屋からテン場に戻る坂道が結構痺れる(笑)
そして、標高2400メートルの世界はやっぱり寒い。
雨も降ったりやんたりだったので、初日の夕食は各自テントの中でとり、翌日の劔岳アタックに備えることとした。