前日、ゴールの銭湯を目指して走る“風呂ラン”で10キロほどジョギングした私。
そして迎えた【術後半年記念日】。
この日を迎えるまでは、患部の状態をちゃんと記録しておこうと思っていた。
そしてこれ以降は日にちに縛られずに生活していこうと思っていた。
なので、この日は特別に思い出に残る山に登りたいと思い、【尾瀬】に行くつもりで話を進めていた。
ところが同行者が疲労によりキャンセル。
一人で行くには遠くて高すぎる尾瀬。
さあ、行き先を変更しよう、と散々悩み抜いた末に選んだのがこちら。
気温も湿度も高いこの季節、関東圏の低山は登山には向かない。
しかし、「下山後にお風呂入れたら!」
どんなに大汗をかいたって、きっと爽快に違いない!
単独行でケガをしてから、ソロでの行動にも用心が必要だし、トレーニングとして登るにはちょうどいいと思い、
朝7時に自宅の駅を出発した。
9時ころに高尾山口駅に到着。
ケーブルカー乗り場前のお土産屋さんは、まだ開いていないが
山頂に向かって歩く人々は続々と続いている。
6号路から山頂を目指す。
新しい登山靴はまだソールも硬く、ジメジメと濡れた石に足元をすくわれないよう、歩幅を狭くして進んでいく。
木の根がむき出しになった場所も、膝を高く上げて歩くトレーニングになる。
高尾山は、短い行程の中に侮れない箇所がたくさんあるこの6号路が1番好き。
濃厚な緑の空気を深く吸いながら、黙々と歩いていく。
朝が身体中から吹き出す。
沢の道を滑らないように気をつけながら登ると、
ラストは心臓破りの階段(笑)
こんなに長かったっけなー?とヒーヒー言いながら(笑)、立ち止まらずに登り続ける。
汗拭きタオルも絞れるほど、全身がびしょ濡れだ。
(スマホの操作もままならないほど(笑))
スタートして55分、山頂到着。
いつも通り賑わっている山頂広場。
かき氷でも食べようかと思ったが、まだ、開店前だったので、速やかに下山を開始。
午前中だったら、駅前の【極楽湯】もカランが埋まるほどの混雑は避けられるだろう。
私は薬王院方向へ進み、お参りをしてケーブルカー駅の横から、琵琶滝に向かって下りるルートに入った。
ここも適度に傾斜があり、滑らないように歩くにはなかなか神経を使った。
いつもはそれほど人を見かけないコースなのだが、
今日は登山者から観光客から、多くの人がこのコースを登って来ていた。
つい調子に乗ってツヅラの道を左に曲がろうとした時、
少しだけ患部に余計な力がかかってしまった。
膝が内側に入らないように気をつけなければならない私、
どんな形で膝が内側に入るのか、身をもって知った瞬間であった。
痛みがぶり返すほどではなかったが、膝を触って初めて今日サポーターをしてくるのを忘れていたことに気がついた(笑)
上がり気味だったペースを、今一度落として、琵琶滝から登山口までのラストの道を歩いていく。
午前11時前にケーブルカー駅に無事到着。
山頂を目指す人々で駅前は賑わっていた。
まるで水を浴びたかのように汗だくになった私は、
速やかに極楽湯を目指して急いだ。
狙い通り、まだ午前中だったのでお風呂はかなり余裕がある状態。
のんびりと体をほぐし、水風呂でクールダウンしながら、
なんとも言えない充実感に満たされたのであった。