日々寒さも厳しくなり、いよいよ最後のテント泊となってしまったが、
終わりかけの紅葉と、気持ちの良い温泉を心ゆくまで楽しめた山行となった。
奥多摩湖をめくる411号線を丹波山方面へ進む。
雲取山登山口である鴨沢を過ぎ、お祭というバス停を過ぎたら林道入口はすぐ。
角度のある斜面を慎重に登っていく。
車高の低い我が車は苦手とする林道。
2台ほどすれ違う車があったがなんとか無事ゲート前の車置き場に到着。
明日の予報が悪いためか、午後1時前なのに駐車している車は3台だけ。
これならテント場も貸切か?とワクワクしながら林道を歩き始めた。
午後の日差しは木々の色をより明るく見せてくれる。
紅葉の美しさに見とれながら、気がつくと林道終点。
(とは言っても変わりばえのしない道を2時間くらい黙々と歩く。)
ここからは道幅の細い山道になるが、このエリアは総じて東京都水源林ということで管理が行き届いており、全く不安なく歩くことが出来る。
30分ほどで目的地の三条の湯に到着。
ここは、谷底を整地して作られたテン場が点在しているのだが、私たちにとってベストなポジションがあり、午後3時を過ぎた時点でも、その場所を取ることが出来た。
(というか、他にテント泊の登山者は一グループ3人しかいなかった(笑))
荷物を置き、チェックインのため小屋まで斜面を登る。
今日一番の斜面(笑)
お風呂は交代制で女性が先だったので、
休憩もほどほどに、テントも張らずにひとまず汗を流すことにした。
少し熱めのお湯をかき混ぜる。まろやかなお湯には湯の花も浮き、ここが名湯であることを噛みしめる。
服を着替え、さっぱりしたところでテント設営と夕食の準備。
午後4時をまわり、辺りは暗くなっている。
今夜のメニューは、焼肉叙◯苑のストレートつゆを使ったキムチ鍋。
本格的な辛さが絶品!
お風呂上がりにサワーを空けて、次は新顔紹興酒。砂糖は入れず、あっためると香ばしくて食事に合う。
キムチ鍋との相性も素晴らしく、そばに流れる沢にかき消されるのをいいことに、周りを気にせず大声でしゃべり笑いながら、もう一度温泉にも入ったりしてテント場の夜は更けていった。
念のためレスキューシートを仕込んだシュラフに潜りこんだのはなんと夜10時。
入浴で温まったからか、全く寒くない。
翌日の予定も無いのでのんびりと寝んだ。
パチパチというテントを叩く雨音に目が覚めたのは朝4時。
予定より少し早く降り始めたようだ。
外はまだ真っ暗。
私たちはそのまま二度寝を楽しみ、明るくなってきた7時に尿意を催し起床。
山小屋の方が、食堂を使っていい、とおっしゃって下さったので、お言葉に甘える。
山ではすっかり遅い時間となったが、
贅沢に食堂を使わせていただき、昨日のお鍋の残りにアルファ米ととろけるチーズを入れてリゾットを楽しんだ。
午前10時、遅くまでお邪魔した非礼を詫びながら小屋を後にする。
雨は降ったり止んだり。
昨日とは違う景色を味わいながら、林道を歩く。
正午過ぎ、車置き場に到着。
林道ではいくつかのグループとすれ違ったが、車置き場に残った車は1台だけだった。
今年は、シーズンひと月に1回のテント泊という目標も達成し、経験を積んだことでまた山が好きになった。
今回はピークを踏まないテント泊だったが、食事と温泉を満喫出来、充実したテン泊納めになった。
来年のシーズンに向け、丁寧にテントを片付けた。